歯列矯正で顔が変わるのは本当?仕組み・症例・注意点を解説

「歯列矯正をしたいけれど、顔つきが変わるって本当?」
「Eラインが整うと聞いたけど、逆に頬がこけて老け顔になるという噂もあって不安…」
歯列矯正を考えるとき、歯並びが綺麗になることへの期待と同時に、顔の印象がどう変わるのかという疑問や不安はつきものです。
この記事では、そのようなお悩みを持つ方のために、歯列矯正で顔の印象が変わる仕組みから、具体的な変化、そして後悔しないために知っておくべき注意点まで、網羅的に解説します。
◯この記事でわかること
- 歯列矯正で顔が変わる主な理由
- 歯列矯正で顔が変わりやすい人の特徴
- 歯列矯正による顔の変化(期待できること・注意すべきこと)
- 矯正治療を始めるにあたっての注意点
歯列矯正で顔の印象は変わる可能性がある
この章のまとめ!
歯列矯正の主目的は歯並び改善ですが、副次的に顔の印象も変わることがあります。骨格自体は変わりませんが、口元の変化が全体の見た目に影響を与えます。
結論、歯列矯正で顔の印象は変わる可能性があります。
歯並びが整う過程で、口元や周辺の筋肉のバランスに変化が起こるからです。
歯の移動は骨格自体を大きく変えるのではなく、顔の見た目に影響を与え、結果として印象が変わるのです。
歯列矯正の主目的は歯並び改善ですが、副次的に顔の印象も変わることがあります。骨格自体は変わりませんが、口元の変化が全体の見た目に影響を与えます。
歯列矯正で顔が変わる主な理由
この章のまとめ!
顔が変わるのは、歯の移動・筋肉のバランス改善・口呼吸の改善という3つが主な理由です。これらの要因が複合的に作用し、輪郭や口元の印象に変化をもたらします。
では、なぜ歯列矯正で顔の印象まで変わるのでしょうか。その変化は、単に歯が動くだけでなく、以下の3つが関係しています。
- 歯の移動
- 筋肉のバランス改善
- 口呼吸の改善
では、それぞれ詳しく解説します。
① 歯の移動による口元と輪郭の変化
歯が動くことで口元や輪郭の印象は変化します。歯は歯槽骨に支えられており、矯正で歯が動くと、その土台となる骨の形も変わるためです。
例えば、出っ歯を治すために前歯を後ろに下げると、突出していた口元が引っ込み、すっきりした輪郭になります。唇も自然に閉じやすくなるでしょう。このように歯の再配置は、直接的に口元のシルエットを整える効果を持つのです。
② 噛み合わせ改善による筋肉のバランスの変化
噛み合わせが整うと、顔の筋肉のバランスが変わり、輪郭に影響を与えます。噛み合わせが悪いと、一部の筋肉(咬筋など)が過剰に発達し、エラが張って見えることがあります。
矯正で噛み合わせが正常化すると、筋肉への不要な力が抜け、緊張が和らぎます。その結果、エラの張りが目立たなくなり、フェイスラインがシャープになる効果が期待できるのです。
③ 口呼吸から鼻呼吸への改善
口元の機能が改善されることも、顔つきが変わる一因です。出っ歯などで口が閉じにくいと口呼吸になりがちですが、矯正で歯並びが整うと自然に口を閉じやすくなり、鼻呼吸が促されます。
口を閉じる筋肉が使われることで口元が引き締まり、間延びした印象が改善されます。長期的に見て、引き締まった健康的な顔つきを維持することにも繋がるのです。
【症例別】歯列矯正で顔が変わりやすい人の特徴
この章のまとめ!
出っ歯や受け口、口ゴボなど、歯並びによって口元や輪郭に特徴が出ている方は、矯正による顔の変化を感じやすいです。特に前歯や顎の位置関係が大きく変わる症例で顕著です。
どのような歯並びだと顔が変わりやすいのでしょうか。特に変化を実感しやすい方の特徴は以下となります。
- 出っ歯(上顎前突)で口元が出ている
- 受け口(反対咬合)で、下顎が前に出ている
- 口ゴボ(上下顎前突)で、口元全体が突出している
- 開咬(オープンバイト)で、口が閉じにくい
- 噛み合わせが深く、エラが張っている
歯列矯正による顔の変化
この章のまとめ!
歯列矯正は、Eラインが整うといった良い変化が期待できる一方、頬こけなどの意図しない変化が起こる可能性もあります。両方の側面を理解しておくことが大切です。
治療を始めてから後悔しないために、「期待できるポジティブな変化」と「知っておきたい注意すべき変化」の両側面を正しく理解しておきましょう。
期待できる変化(ポジティブな変化)
矯正治療によって、顔には多くの良い変化が期待できます。歯並びが整うことで口元やフェイスラインが洗練され、自信に満ちた明るい表情につながります。
以下は期待できる主な変化とその効果の一覧となります。
変化のポイント | 期待できる効果 |
---|---|
Eラインの改善 | 突出した口元が収まり、美しい横顔のシルエットになる |
口元の突出感の解消 | 顔全体が上品で、知的かつ洗練された印象になる |
エラの張りの緩和 | 噛む筋肉の緊張が和らぎ、フェイスラインがすっきりする |
笑顔の印象改善 | 口角が上がりやすくなり、明るく魅力的な笑顔になる |
注意すべき変化(ネガティブに見える可能性のある変化)
一方で、矯正治療の過程では意図しない顔の変化を感じることもあります。これらは主に、歯の移動や筋肉の使用状況の変化から生じるものです。
以下は注意すべき主な変化とその原因の一覧となります。
変化のポイント | 主な原因・現象 |
---|---|
頬のこけ | 矯正中の食事の変化による、一時的な筋肉の減少 |
ほうれい線が目立つ | 口元の後退による、皮膚のたるみ・余剰 |
人中が長く見える | 上唇が歯で押されなくなり、相対的に長く見える |
面長に見える | エラの張りがなくなり、顔の縦のラインが強調される |
矯正治療を始めるにあたっての注意点
この章のまとめ!
矯正治療で後悔しないためには、抜歯の有無が与える影響を理解し、医師と治療後のイメージを徹底的に共有することが不可欠です。また、矯正には限界があることも知っておきましょう。
後悔しない矯正治療のために、以下の3つのポイントを把握しておくと良いでしょう。
- 抜歯・非抜歯の選択が顔の変化に大きく影響する
- 治療後のイメージを事前に歯科医師と十分に共有する
- 顔の変化には個人差があり、限界があることを理解する
では、それぞれ詳しく解説します。
抜歯・非抜歯の選択が顔の変化に大きく影響する
抜歯の有無は、顔の変化の度合いを左右する極めて重要な要素です。歯を並べるスペースが足りない時、抜歯をすると大きな変化が期待できますが、口元が下がりすぎて意図しない結果を招く危険性もあります。
逆に非抜歯では変化が物足りないことも。精密検査の結果に基づき、抜歯と非抜歯、それぞれのメリット・デメリットを歯科医師から十分に説明してもらうことが不可欠です。
治療後のイメージを事前に歯科医師と十分に共有する
治療後のミスマッチを防ぐには、歯科医師とのイメージ共有が最も重要です。美しいと感じる基準は人それぞれ異なり、言葉だけでは理想が正確に伝わらないからです。
具体的には、症例写真を見ながら「このようになりたい」と伝えたり、3Dシミュレーションで変化を確認すると良いでしょう。
【カウンセリングで確認したい質問リスト】
- 私の歯並びでは、抜歯は必要ですか?抜歯の有無で、顔の変化にどのような違いが出ますか?
- 治療によって、ほうれい線や頬のこけなど、懸念している変化が起こる可能性はどのくらいありますか?
- 3Dシミュレーションなどで、治療後の顔の変化の予測を見ることはできますか?
- 私と似た症例の写真を見せていただくことは可能ですか?
- 治療期間と、費用の総額の目安を教えてください。
顔の変化には個人差があり、限界があることを理解する
歯列矯正で顔の印象は変わりますが、その変化には限界があることを知っておきましょう。矯正はあくまで歯を動かす治療であり、顎の骨の大きさや形そのものを変えることはできないからです。
例えば、下顎が極端に大きい、または小さいといった骨格的な問題は、矯正だけでは改善が難しいことも。そのような際は外科手術を併用する選択肢もあるため、まずはご自身の希望を医師に伝え、可能な治療範囲を確認することが大切です。
まとめ
この記事では、歯列矯正による顔の変化について、その理由や具体的な変化、注意点を解説しました。
重要なポイントは以下の通りです。
- 歯列矯正で顔の印象は変わる可能性がある: 歯の移動や噛み合わせの改善が、口元やフェイスラインに影響を与えるためです。
- 期待できる変化: Eラインが整う、口元の突出感がなくなる、エラの張りが緩和されるなど、審美的な改善が期待できます。
- 注意すべき変化: 頬こけやほうれい線が目立つ、人中が長く見えるなど、意図しない変化を感じることもあります。
- 変化しやすい症例: 出っ歯や受け口、口ゴボなど、前歯の位置に特徴がある方は変化を実感しやすいです。
- 後悔しないために: 抜歯の有無を含め、治療計画と予想される変化について、歯科医師と十分にイメージを共有する。
歯列矯正は、歯並びを整えるだけでなく、顔全体の印象にも良い変化をもたらす素晴らしい治療です。しかし、変化には個人差があり、時には注意すべき側面もあります。
ご自身の歯並びや顔の悩みについて、どのような変化が期待できるのか、まずは信頼できる歯科医院で精密検査とカウンセリングを受け、納得がいくまで相談することをおすすめします。
以下でご紹介するページでは、矯正歯科を探している方に向けた歯科医院の一覧を、参考情報として掲載しています。情報収集の一環としてご利用ください。
- 北海道
- 東北
- 関東
- 中部
- 近畿
- 中国
- 四国
- 九州