前歯だけを部分入れ歯にできる?種類や費用、注意点を解説

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前歯が欠けているケースで、部分入れ歯を作ることは可能です。入れ歯の装着で、自然な見た目や噛む機能の回復が期待できます。治療では保険診療と自費診療のいずれかを選べますが、素材や構造によって見た目や装着感、費用が異なる点が特徴です。

本記事では、前歯に装着する部分入れ歯の種類や、メリット・デメリットをわかりやすく解説します。

前歯だけを入れ歯にできる?

前歯を失った場合、ブリッジやインプラントといった選択肢もありますが、部分入れ歯で補うことも可能です。欠損部に部分入れ歯を装着すれば、見た目や噛む機能の改善が期待できるでしょう。

部分入れ歯は、欠損した前歯の周囲の歯にバネや樹脂で支えを作り、取り外し可能な入れ歯として装着します。見た目の自然さや安定性を考え、周囲の歯に合わせて色や形を調整することも可能です。

前歯がない状態を放置するリスク

前歯がない状態を放置すると、見た目が損なわれるだけでなく、次のようなリスクもあります。

  • 周囲の歯に影響する
  • 噛み合わせのバランスが崩れやすい

ここでは、前歯がない状態を放置するリスクを解説します。

周囲の歯に影響する

前歯を失ったまま放置すると、周囲の歯に影響を及ぼします。歯は互いに支え合っており、前歯を失うと両隣の歯に過度な負担がかかるためです。時間の経過とともに歯が傾いて、健康な歯まで失うリスクが高まるでしょう。

そのまま放置すれば口内全体のバランスが崩れ、より大きな治療が必要になる可能性もあります。

噛み合わせのバランスが崩れやすい

歯の本数が減ると噛む力が片側に偏りやすくなり、噛み合わせのバランスが崩れるおそれがあります。結果として顔の歪みを招くこともあるでしょう。

噛み合わせの不調は顎関節症につながり、顎の痛みや口の開けづらさといった症状を引き起こす可能性があります。

さらに、頭痛や肩こり、腰痛など全身へ悪影響が及ぶケースもあるため、注意が必要です。

前歯の部分入れ歯の種類と費用

前歯の部分入れ歯には、自費診療と保険診療の2つの選択肢があり、それぞれに種類があります。

種類をまとめた表は、次のとおりです。

診療区分 種類 特徴
保険診療 レジン床義歯 費用を抑えられるが、強度や薄さに制限がある
自費診療 金属床義歯 床部分に金属を使用し、薄くて丈夫
ノンクラスプデンチャー 樹脂で固定するため金属バネがなく、自然な見た目になる
マグネットデンチャー 磁石で歯根やインプラントと固定するため、装着や取り外しが容易になる
インプラントオーバーデンチャー 顎の骨に埋め込んだインプラントを土台にする

ここでは、保険診療と自費診療ごとの種類や特徴を解説します。

保険診療の部分入れ歯

保険診療で作る部分入れ歯は、床部分に歯科用プラスチック樹脂のレジンを使う「レジン床義歯」です。

限られた材料と材質の範囲内で製作され、保険が適用されて費用を抑えられます。費用は保険の自己負担割合によって異なり、数千円から数万円程度です。

価格は安いものの、床部分に厚みがあり、装着時に違和感を覚えることもあります。また、金属のバネを隣の歯にかけて固定するため、目立ちやすい点がデメリットです。

また、自費診療の入れ歯と比較すると、耐久性が劣る傾向もあります。

自費診療の部分入れ歯

自費診療の部分入れ歯は、素材や設計の自由度が高く、見た目や装着感を重視した治療が可能です。

金属床義歯は薄くて耐久性が高く、ノンクラスプデンチャーは金属バネを使わないため自然な仕上がりになります。

また、磁石やインプラントを併用するタイプは安定性が高く、しっかり噛めることが期待できるのが特徴です。

保険診療より費用は高額になる傾向がありますが、審美性や快適性の点で優れ、特に前歯の欠損で目立ちにくさを重視する方に選ばれています。

費用相場はおよそ10万円から50万円以上と幅広く、選ぶ入れ歯の種類や素材によって大きく変わるでしょう。

前歯を部分入れ歯にするメリット

前歯を部分入れ歯にすることで、次のようなメリットがあります。

  • 自然な見た目を維持しやすい
  • 基本的に取り外しができる
  • 修理や調整がしやすい
  • 短期間で治療できる場合がある

ここでは、前歯を部分入れ歯にすることの主なメリットをみていきましょう。

自然な見た目を維持しやすい

前歯を部分入れ歯にする大きなメリットは、自然な見た目を維持しやすい点です。前歯は会話や笑顔になったときに目立つため、欠損をそのままにすると口元の印象が大きく損なわれます。

部分入れ歯を入れることで、周囲の歯と調和した色や形に仕上げられ、自然な口元を保ちやすくなるでしょう。

特にノンクラスプデンチャーなど自費診療のタイプは金属のバネがなく目立ちにくいため、見た目を重視する方に適しています。

基本的に取り外しができる

部分入れ歯は、取り外しができるため手入れがしやすいこともメリットのひとつです。食事のあとや就寝前に取り外して洗浄することで口腔内を清潔に保ちやすく、虫歯や歯周病のリスクを低減させることにつながります。

また、入れ歯自体も専用ブラシや洗浄剤でしっかり清掃できるため、衛生的に長く使うことが可能です。

固定式のブリッジやインプラントと比べ、管理しやすい点は大きなメリットといえるでしょう。

修理や調整がしやすい

部分入れ歯は修理や調整がしやすい点も大きな特徴です。使用中に破損したり、歯や歯ぐきの状態が変化して合わなくなったりした場合でも、比較的短期間で修理や調整を受けられます。

例えば、入れ歯が割れたりバネが緩んだりした場合は修復が可能で、新しく作り直さなくても済む場合が少なくありません。

また、長く使ううちにフィット感が低下しても、歯科医院で調整することで快適に使い続けることが可能です。

短期間で治療できる場合がある

部分入れ歯は、比較的短期間で治療が完了する場合がある点もメリットです。インプラントのように外科手術や治癒期間を必要とせず、ブリッジのように健康な歯を大きく削ることもありません。

型取りから装着まで数週間程度で進むことも多く、特に保険適用の場合は短期間で作製しやすいでしょう。比較的早く、見た目や噛む機能を回復させられる可能性があります。

特に前歯の欠損は日常生活で目立つため、短期間で自然な口元を取り戻せるのは大きな安心につながるでしょう。

前歯を部分入れ歯にするデメリット

前歯を部分入れ歯にすることはメリットだけでなく、次のようなデメリットがあることを理解しておきましょう。

  • 硬いものを噛みにくい
  • 慣れるまでに時間がかかる場合がある
  • 見た目に影響を与えるケースがある

前歯を部分入れ歯にすることの主なデメリットを紹介します。

硬いものを噛みにくい

前歯を部分入れ歯にした場合のデメリットのひとつに、硬いものを噛みにくいことがあげられます。入れ歯は天然の歯やインプラントに比べて安定性が劣るため、前歯で噛み切るときに不自由を感じやすいでしょう。

硬い食べ物を噛むと、入れ歯がずれたり痛みを感じたりするケースもあります。

そのため、硬いものを噛むときは奥歯を使うか、食材を小さく切るなど工夫が必要です。

慣れるまでに時間がかかる場合がある

前歯の部分入れ歯は装着直後からすぐに快適に使えるとは限らず、慣れるまでに時間がかかる場合があります。

特に、装着した当初は違和感や痛みなどが生じる可能性があり、発音がしにくい、食事中にうまく噛めないといった不便さを覚えることもあるでしょう。

通常は時間の経過と調整によって改善しますが、スムーズに使いこなすには一定の慣れが必要です。

見た目に影響を与えるケースがある

部分入れ歯は失った歯を補う有効な方法ですが、種類によっては見た目に影響する場合があります。

特に保険診療で作る一般的な部分入れ歯は、隣の歯に金属のバネをかけて固定するため、笑ったときや会話中に金属部分が見える可能性もあるでしょう。

前歯に装着する場合は口元の印象に直結するため、審美性を重視する方は気になるかもしれません。自然な見た目を求める場合には、自費診療の入れ歯を検討してみるとよいでしょう。

前歯の部分入れ歯を作る際の注意点

前歯の部分入れ歯を作る際は、次のような注意点があります。

  • 定期的なメンテナンスが必要になる
  • 素材によって寿命が異なる

部分入れ歯を作る際に注意したいポイントをみていきましょう。

定期的なメンテナンスが必要になる

前歯の部分入れ歯は、装着して終わりではなく、その後のメンテナンスが欠かせません。時間の経過とともに歯ぐきや顎の骨の形が変化し、入れ歯が合わなくなったり、噛み合わせにズレが生じたりすることがあります。

そのまま放置すると違和感や痛みが出たり、残っている歯に負担をかけてしまうおそれもあるでしょう。

快適に使い続けるためには、定期的に歯科医院で調整や点検を受け、必要に応じて修理や作り直しを行うことが大切です。

素材によって寿命が異なる

部分入れ歯は使用される素材によって耐久性が異なり、寿命にも差があります。保険診療で一般的なレジン製の部分入れ歯は、強度や変形の問題から数年で作り直しが必要になることもあるでしょう。

一方、自費診療で用いられる金属床義歯やノンクラスプデンチャーなどは、耐久性や装着感に優れており比較的長持ちします。しかし、歯や歯ぐきの状態は時間とともに変化するため、いずれにしても定期的なチェックと適切なメンテナンスが必要です。

まとめ

前歯の部分入れ歯は、欠損した前歯を補い、自然な見た目や噛む力を取り戻す有効な治療法です。保険診療のレジン床義歯や自費診療の金属床義歯、ノンクラスプデンチャーなど、素材や構造によって特徴や費用、耐久性が異なります。

部分入れ歯は取り外しが可能で手入れや調整がしやすい一方、硬い物が噛みにくい、見た目に影響が出る、慣れるまで時間がかかるなどの点に注意が必要です。

前歯の部分入れ歯について悩みがある方は、直接歯科医師に相談してみてはいかがでしょうか。

以下でご紹介するページでは、入れ歯で悩んでいる方に向けた歯科医院の一覧を、参考情報として掲載しています。情報収集の一環としてご利用ください。

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ベストチョイス編集部
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