子供の歯のマウスピース矯正は寝るときだけでOK?効果や注意点を解説

Xアイコン
facebookアイコン
LINEアイコン
Index目次

子供のマウスピース矯正は、「寝るときだけ装着すればいい」と耳にすることがあります。確かに、装着時間を就寝時中心にしても矯正効果を得られるケースはありますが、すべての症状に適しているわけではありません。

この記事では、子供のマウスピース矯正について「寝るときだけで本当に効果があるのか」という疑問に焦点をあて、装着時間の考え方や治療効果に関わる要素をわかりやすく解説します。

子供のマウスピース矯正は寝るときだけでも効果ある?

寝るときだけのマウスピース矯正は、手軽に取り組めるように見えますが、装着時間が限られるため効果に差が出やすいとされています。多くのケースでは、日中を含めた長時間の装着が望ましいでしょう。

ただし、歯列の乱れが軽度な場合や、顎の成長を利用する治療では、夜間の装着でも一定の改善が見られることがあります。

次の2つの観点から、確認してみましょう。

  • 寝るときだけで効果が期待できるケースは限られる
  • 一般的には20時間以上の装着が推奨される

寝るときだけで効果が期待できるケースは限られる

夜間のみのマウスピース矯正が適しているのは、軽度の歯並びの乱れや早期の成長誘導を目的とする場合に限られます。歯がわずかに傾いている、前歯の位置を軽く整える程度といったケースでは、夜間の使用でも一定の変化が見られるケースもあるでしょう。

一方で、歯を大きく動かす必要がある場合や、噛み合わせ全体を整える治療には、寝るときだけの装着では力が十分に加わらず、思うような効果が得られにくい傾向があります。また、装着時間が短いと歯が元の位置に戻ろうとするため、治療の安定性を保つのも難しくなりかねません。

寝るときだけの矯正の可否は、歯の状態や顎の発達段階によって異なります。自己判断で始めるのではなく、専門の歯科医師による診断を受けたうえで適応を確認することが重要です。

一般的には20時間以上の装着が推奨される

マウスピース矯正は、歯に弱い力を長時間かけ続けることで少しずつ動かしていく治療法です。そのため、一般的にマウスピース矯正では1日20時間以上の装着が推奨されています。

寝るときだけの装着ではこの推奨時間を下回るため、歯の動きが不十分となりやすいほか、治療の進行が遅れる可能性も否定できません。歯を動かす力が断続的になると、移動が安定せず、後戻りが起きやすくなることもあります。

寝るときだけのマウスピース矯正にはどんなリスクがある?

寝るときだけのマウスピース矯正は、手軽に取り組みやすい一方で、装着時間の短さによるリスクを伴う場合があります。歯を動かす力が十分にかからない状態が続くと、歯列や噛み合わせに悪影響を及ぼす可能性もあるため注意が必要です。

寝るときだけの矯正を行う場合、次のような点に気をつける必要があります。

  • 後戻りのリスクがある
  • 治療期間が長くなりやすい
  • 歯茎が下がる可能性がある
  • 追加費用が発生する場合も

それぞれ、詳しく見ていきましょう。

後戻りのリスクがある

歯は矯正によって動いたあと周囲の骨や歯茎が安定するまで時間がかかるため、長時間マウスピースを装着して定着させる必要がありますが、寝るときだけの装着では時間が十分ではありません。そのため、寝るときだけのマウスピース矯正では、装着時間が短いことで歯が元の位置に戻る「後戻り」が起こりやすくなる傾向があります。

装着時間が不足すると、矯正力が十分に歯にかかりません。また矯正後の安定を保つためにも、寝るときだけの使用に頼らず、歯科医師の指示に沿って装着時間を管理することが大切といえるでしょう。

治療期間が長くなりがち

マウスピース矯正は、元々時間をかけて歯を少しずつ動かしていく治療法です。寝るときだけの装着では、歯にかかる力の総量が少なくなるため、さらに治療期間が長くなる傾向がある点は否定できません。

また、場合によっては矯正が計画どおりに進まず、次のステップのマウスピースが合わなくなるリスクもあります。そのため装着時間を増やすのが難しい場合は、治療期間が延びる可能性を事前に理解し、歯科医師と相談して進めることが大切です。

歯茎が下がる可能性がある

マウスピース矯正を寝るときだけ行うと、歯にかかる力が一定にならず、歯周組織への負担が生じやすくなります。その結果、歯茎が下がる歯肉退縮や歯根の一部が露出するなどの変化が見られるケースも珍しくありません。

歯茎が下がると、見た目のバランスが崩れるだけでなく、知覚過敏や汚れの付着といったトラブルにつながることもあります。

追加の費用が発生するケースも

寝るときだけの装着で十分な効果が得られない場合、治療計画の見直しや追加の装置が必要になることがあります。マウスピースを追加で作成する、もしくは日中も装着するプランへ切り替えるといった対応により、費用が増えるケースも珍しくありません。

また、治療期間が長引けばその分、通院回数やメンテナンス費用も増える傾向があります。

こうしたリスクを避けるためにも、最初の診断時に治療計画や費用の見通しを歯科医師としっかり確認しておくことが大切です。

子供の寝るときだけのマウスピース矯正はメリットもある

寝るときだけのマウスピース矯正は、装着時間が短いことによるデメリットがあるものの、メリットも存在します。

  • 学校生活に影響が出にくい
  • 矯正に対する心理的ハードルが下がる

この2点について、詳しく解説します。

学校生活に影響が出にくい

寝るときだけのマウスピース矯正は夜間だけに装着を限定できるため、学校生活に支障が生じにくい点はメリットといえます。矯正装置を気にせず過ごせ、子供のストレスを軽減できる可能性が期待できるでしょう。

また、昼間は矯正装置の装着による発音への影響や装置の違和感がないため、授業中の集中力を維持しやすい点も無視できません。こうした負担の少なさは、子供の矯正治療を無理なく継続するうえで重要な要素といえます。

矯正に対する心理的ハードルが下がる

矯正装置を常に装着する必要がないため、見た目を気にする年齢の子供でも治療に前向きになることが期待できる可能性があります。特に友人との関わりを重視する小中学生期では、外見への抵抗感が少ないことがモチベーションの維持につながるかもしれません。

子供の心理的負担を減らしながら矯正を始められる点は、寝るときだけのマウスピース矯正ならではのメリットといえるでしょう。

子供のマウスピース矯正における注意点

マウスピース矯正は、取り外しができる点で子供に適した方法ですが、自己管理が必要な治療法でもあります。ここでは、効果を最大限に引き出すために押さえておきたい以下の4つのポイントを紹介します。

  • マウスピースの装着を習慣づける
  • 正しく装着できているかを保護者がチェックする
  • 日常的なセルフケアを怠らない
  • 指定の装着時間を守れるよう工夫する

マウスピースの装着を習慣づける

矯正効果を安定させるには、毎日の装着を自然な習慣にすることが大切です。「寝る前の歯磨きのあとに装着する」など、日常のルーティンに組み込むと忘れにくくなるでしょう。

また、保護者が初期段階で一緒に確認しながら装着することで、子供が自分で管理できるようになるケースも多く見られます。矯正装置の装着を日常生活における習慣のひとつとして組み込んでしまえば、装着し忘れるケースも減らせるでしょう。

正しく装着できているかを保護者がチェックする

マウスピースの装着を子供任せにせず、正しく装着できているかを保護者が確認することが大切です。

浮きやずれがあるまま使用を続けると、歯の動きが不均一になり、計画通りに矯正が進まないおそれがあります。子供は適切に装着できているか自分ではわからないこともあるため、特に子供が慣れるまで保護者が装着状態をチェックするようにするといいでしょう。

日常的なセルフケアを怠らない

矯正中はプラーク(歯垢)がたまりやすく、正しいケアができていないと虫歯や歯肉炎の原因になるおそれがあります。歯や歯茎の状態を良好に保つためには、子供自身が正しいブラッシング方法を身につけることはもちろん、必要があれば保護者がセルフケアの状態を確認・サポートすることをおすすめします。デンタルフロスやフッ素入りの歯磨き剤を取り入れると、より清潔な状態を維持しやすくなるでしょう。

さらに、定期的に歯科医院でチェックを受けることで、装置や歯列のトラブルを早期に発見できます。

歯科医院では正しいブラッシング方法やフロスの使い方といったセルフケアの指導も受けられるため、困ったことがあれば相談し子供が適切なケアをできるようにしましょう。

指定の装着時間を守れるよう工夫する

子供の歯列矯正においては、寝るときだけの矯正かどうかに関係なく、歯科医師から指定された時間マウスピースを正しく装着しておくことが治療の効果を左右するといえます。子供、保護者ともに一日の装着時間を正しく把握し、守れるように意識することが大切です。

スマートフォンのアプリや、アラームなどを活用するのもひとつの方法といえます。保護者はすべてを子供任せにせず、子供が装着時間を守れているかを見守るようにしましょう。

まとめ

寝るときだけのマウスピース矯正は、装着時間が短い分だけ効果が限られるものの、学校生活への支障を抑えながら始めやすいというメリットもあります。ただし、治療の適応には個人差があり、歯の状態・年齢・生活リズムに合わせた専門的な判断が欠かせません。

治療を検討する際は、自己判断せず、矯正を得意とする歯科医師に相談することが大切です。

専門医による診断を受けることで、適した治療法や開始時期が見えてくるでしょう。

「どこに相談すればいいかわからない」という場合は、歯科医院の情報を掲載している ベストチョイスを参考にしてみてください。地域や診療内容から検索でき、矯正歯科を中心にさまざまな医院情報が掲載されています。

信頼できる専門医を見つけることが、子供の歯並び治療を成功につなげる大切な一歩です。まずは相談しやすいクリニックを探してみましょう。

関連記事:小田原で子供の歯並びを改善するなら?小児矯正ができるおすすめ歯科クリニック5院

ベストチョイス編集部
ベストチョイス編集部

「best choice(ベストチョイス)歯科 byGMO」は、検索機能を使って地域と診療内容を絞り込み、ベストな歯科医院を探せるポータルサイトです。
一般歯科、小児歯科、審美治療、矯正治療など、ご自身にとって今必要な治療を最適なクリニックで受けることができます。