インプラントの寿命を縮める原因は?長持ちのポイントを解説

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失われてしまった歯の代わりに埋入されるインプラントは、自然な見た目かつ自分の歯と変わらない噛み心地で会話や食事を楽しめると人気の治療法です。ブリッジや入れ歯と比較すると長持ちしやすいという利点がある一方で、日頃の習慣によっては、インプラントの寿命を早めてしまうかもしれません。

そこで、本記事では、インプラントの寿命を縮める主な原因や長持ちさせるためのポイントについてまとめています。寿命が近いインプラントへの対処方法についても解説しますので、ぜひ最後までご覧ください。

インプラントの平均寿命

治療法名称 平均寿命
インプラント 10~15年
ブリッジ 7~8年
入れ歯 4~5年

インプラントの平均寿命は、一般的に10~15年といわれています。保険を適用できない治療法のため、費用そのものは高額になりがちです。しかし、ブリッジの寿命が7~8年、入れ歯は4~5年であることを考えるとインプラントは長持ちしやすく、長期的にはコスパのよい治療法といえるでしょう。

  • インプラントの平均寿命とは
  • ブリッジとの比較
  • 入れ歯との比較

一つずつ、より詳しく解説していきます。

インプラントの平均寿命とは

インプラントの平均寿命は、10~15年が一般的です。調査によると、インプラントの10~15年の累積生存率は上顎で約90%および下顎で 約94%、抜歯即時埋入や骨移植を伴うケースでは87~92%程度という結果が出ています。

1965年、チタン製のインプラントによる治療が初めて登場しました。その際に埋入手術を受けた患者さんのインプラントは、亡くなるまで40年以上も機能し続けたという報告もあります。現在は当時と比較して素材や医療技術、医療設備が進歩していますので、適切に使用すれば10~15年以上インプラントを機能させることは可能といえるでしょう。

ブリッジとの比較

ブリッジは、7~8年が一般的な平均寿命といわれています。ブリッジは、失った歯の両隣にある歯を土台に、橋をかけるようにして人工歯を被せる処置のことです。保険が適用できることや異物感が少ないこと、取り外し不要で普段のブラッシングでお手入れできるといったメリットがあります。

しかし、ブリッジの処置ではベースとなる健康な歯を削る必要があり、残った歯そのものの寿命を縮めてしまうかもしれません。インプラントの場合は健康な歯を削らなくても良いため、残りの歯に負担をかけなくて済みます。

入れ歯との比較

入れ歯の平均寿命は、4~5年です。保険対応で作製できる点や取り外しできて衛生的といったメリットが挙げられます。

一方で、その手軽さゆえに、見た目が良くないのがデメリットです。また、取り外し可能ということは、裏返せば歯と歯の隙間に食べかすが挟まりやすいことを意味します。人によっては、「硬いものが食べづらい」「料理の味を感じにくい」という方もいるようです。定期的な調整や交換が必要で手間がかかるのも、デメリットといえるでしょう。

インプラントの寿命を縮める主な原因

10~15年以上使い続けている方も多いインプラントですが、状況によっては寿命を早めてしまう可能性があります。インプラントの寿命を縮める主な原因は、以下の4つです。

  • 品質の悪いインプラントによる処置
  • インプラント周囲炎や歯周病の進行
  • 喫煙の習慣
  • 歯ぎしり・食いしばり

これらの要因がインプラントの寿命にどう関わってくるのか、詳しく見ていきましょう。

品質の悪いインプラントによる処置

インプラントメーカーは国内外で100社以上あるといわれており、素材や構造、価格帯がそれぞれ異なります。中には科学的根拠を証明する臨床データを持たないメーカーも存在しており、そのような品質の悪いインプラントを使用している歯科医師がいるのも残念ながら事実です。「格安インプラント」を謳っているところには、特に注意してください。

品質の悪いインプラントは劣化しやすく、早々に寿命を迎えるリスクが高いです。また、顎の骨と十分に結合せずにすぐに脱落してしまうなど、トラブルの原因にもなります。インプラントを長持ちさせたいなら、品質にこだわった治療を実施している歯医者を探しましょう。

インプラント周囲炎や歯周病の進行

インプラントを埋め込んだ周辺の組織に炎症が起きた状態が、インプラント周囲炎です。症状が進行するとインプラントが機能しなくなり、深刻化すると脱落の恐れがあります。

歯周病は、残りの歯に磨き残しや歯垢があるところで発生しやすい疾患です。歯肉や歯槽骨が溶け出し、重症化すると歯が抜けて落ちてしまいます。

インプラント周囲炎も歯周病も、ともに進行性の疾患です。どちらも初期の段階では症状を自覚しにくく、放置しておくとインプラントそのものの寿命を縮めてしまいかねません。口内環境を清潔に保ち、定期的に歯科検診を受けることが大切です。

喫煙の習慣

喫煙の習慣は、インプラントの寿命を縮めます。タバコに含まれるニコチンには血管を収縮させるはたらきがあり、インプラントと骨との結合力を弱めてしまうためです。

近年の目覚ましい医学の進歩に伴い、インプラントの素材や医療技術も大きく向上しています。喫煙の習慣がある方のインプラント治療についても、リスクコントロールがきちんとできていれば、対応してくれるところも増えてきました。

しかしながら、口内の状態や日々の喫煙量によっては、治療を断られるケースもあります。仮に成功したとしても、タバコによって身体の免疫力が低下していますので、感染症にかかるリスクが高まることは知っておいてください。

歯ぎしり・食いしばり

歯ぎしりや食いしばりも、インプラントの寿命に大きく関わってきます。人工的に作られたインプラントは衝撃に弱く、歯ぎしりや食いしばりによって直接負荷がかかるためです。

通常、天然の歯には歯根膜という薄い膜があります。歯根膜はクッションの役割をしており、噛んだときにかかる力を吸収して分散させることで歯への衝撃をかかりにくくしていますが、インプラントには歯根膜がありません。そのため、噛んだときの衝撃を直に受けてしまうわけです。

インプラントの寿命を長持ちさせるポイント

インプラントは治療費が高額なため、せっかく治療を受けるならできるだけ長持ちさせたい方が多いのではないでしょうか。インプラントを長く保つには、患者さん自身による協力も不可欠です。以下の3つのポイントを押さえておきましょう。

  • 決められたメンテナンス頻度の厳守
  • 減煙もしくは禁煙する努力
  • 専用マウスピースで口内の衝撃を緩和

どのように進めれば良いか、一つひとつ解説します。

決められたメンテナンス頻度の厳守

インプラントは埋入したらそれで終わりではなく、定期的なメンテナンスが欠かせません。日々の歯磨きはもちろん大切ですが、磨き残しはないか、噛み合わせがズレていないか、歯周病などのトラブルが隠れていないかを歯科医師にチェックしてもらうことで、インプラントをより長持ちさせられます。口内のクリーニングも実施しますので、お口の健康にもつながるでしょう。

「ちゃんと毎日歯磨きしているから」と通院をしない方も見受けられますが、日々の歯磨きだけでは汚れを落としきれません。異変を感じたときにはすでにインプラント周囲炎や歯周病が進行していたといった事態を防ぐためにも、決められたメンテナンス頻度は必ず守ってください。

減煙もしくは禁煙する努力

先述したように、タバコに含まれるニコチンには血管を収縮させるはたらきがあり、インプラントと骨とを結合しにくくさせるのが特徴です。インプラントの寿命を縮めるばかりではなく、免疫力の低下で感染症にかかるリスクが高まることもお伝えしました。

もちろん、歯科医院としても、インプラントを長持ちさせるために様々なサポートを行っています。しかし、歯医者に任せきりにするのではなく、患者さん自身による減煙もしくは禁煙する努力も欠かせません。

1人では禁煙が難しい方向けに、禁煙外来を設けているところもあります。将来的な健康のためにも、専門家のサポートを受けることも検討してみてください。

専用マウスピースで口内の衝撃を緩和

歯ぎしりや食いしばりは無意識下で行われているケースも多く、特に睡眠中はなかなか自覚できません。これらの行動によって歯に100キロ以上の力がかかるといわれており、インプラントの破損や脱落を引き起こします。

そこでおすすめなのが、専用マウスピース(ナイトガード)の装着です。口内の衝撃が緩和されますので、インプラントの寿命を延ばすのにもつながります。

歯ぎしりや食いしばりをしてしまう癖は、ストレスを抱えている方にもよく見られる行動です。日頃の生活サイクルを見直し、ストレスを抱えにくい暮らしを意識しましょう。

寿命を迎えたインプラントへの対処方法

寿命を迎えたインプラントをそのまま使用し続けると破損・脱落のリスクが高まるほか、部品を飲み込んでしまう危険性があります。また、痛みを伴ったり感染症にかかったりするリスクも大きく、重いケースではインプラントの再治療そのものができません。インプラントが寿命を迎えたときに取るべき対策は、次の2点です。

  • メーカーの保証期間内であるかを確認
  • 担当の歯科医師に相談

詳しい内容を解説します。

メーカーの保証期間内であるかを確認

通常、インプラントには保証期間が設定されています。インプラントの寿命を感じたら、まずはインプラントメーカーの保証期間を確認しましょう。期間内であれば、無償もしくは割引料金でインプラントの修理や交換、再治療が可能です。

具体的な保証期間や保証対応範囲、保証を受けられる条件はクリニックによって異なりますので、事前に確認しておいてください。保証条件は厳しめに設定されているところも多く、決められた頻度で定期メンテナンスに通っていたか、患者さん自身による適切なケアがきちんと行われていたかなどが問われます。

担当の歯科医師に相談

インプラントを使用していて少しでも違和感を覚えたり口内に異変が生じたりしたときは、すぐに担当の歯科医師に相談してください。インプラントが寿命を迎えている以外にも、別の原因が隠れているかもしれません。

インプラントの状態を確認後、必要に応じて抜去や再治療の実施、インプラントが適さないと判断された場合は代替の治療法を提案してもらえるでしょう。患者さんのお口の状態や全身の健康状況、予算などをもとに、詳細な治療プランを立てていきます。

まとめ

インプラントの平均寿命は、10~15年です。過去には40年以上もインプラントが機能したという事例もありますので、適切に使用すればより寿命を延ばせるでしょう。

インプラントの寿命を縮める原因としては、品質の悪いインプラントによる処置、インプラント周囲炎や歯周病の進行、喫煙の習慣や歯ぎしり・食いしばりなどが考えられます。「格安」といった文言に安易に飛びつかず、質にこだわっている歯医者を探しましょう。定期的にメンテナンスに通い、歯科医師のケアを受けることも大切です。

以下のページでは、千葉県内でインプラントにおすすめの歯科クリニック5院をご紹介しています。こだわりや特徴をまとめていますので、参考にしてみてください。

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