インプラント治療で歯がない期間はある?仮歯の対応や注意点なども解説
インプラント治療は完了するまでに半年~1年ほどと長期間になるため、「治療中に歯がない期間があると困る」などの理由から、インプラント治療を悩む方も多いのではないでしょうか。結論からお伝えすると、インプラント治療中に歯がない期間はあります。
この記事では、インプラント治療中に発生する歯がない期間や対応策などについて詳しく解説します。また、歯がない期間の注意点についてもお伝えするので、インプラント治療を検討している方はぜひ参考にしてください。
インプラント治療中の歯がない期間について
インプラントは治療をスタートさせてから、すぐに人工歯が装着できるわけではありません。そのため、歯がない期間があるのは確かです。ですが対応策もあるため、それほど気にすることはないでしょう。ここでは、下記3つの項目について詳しく解説します。
- 歯がない期間は2~6ヶ月程度が一般的
- 骨造成手術を行うと歯がない期間が長くなる
- インプラント治療で歯がない期間が必要な理由
歯がない期間があることはお伝えしましたが、実はこの期間というのはインプラントを成功させるかの鍵を握っているほど重要な期間でもあります。歯がない期間の対応方法については後ほど詳しく説明するので、まずは何故歯がない期間があるのかについてお伝えします。
また、インプラントの治療期間について詳しく知りたい方は、下記のページでわかりやすく解説しているので合わせて読んでみてください。
歯がない期間は2~6ヶ月程度が一般的
インプラントで歯がない期間とは、インプラント体を埋入する術後から人工歯を装着するまでの間です。この期間は2~6ヶ月程度が一般的で、顎の骨量が十分か不十分かによっても歯がない期間は異なります。顎の骨量が十分にあり、インプラント治療がスムーズに進行できる方は、歯がない期間が短いです。
その他にも、むし歯や歯周病があり抜歯する場合は歯がない期間が長くなる人もいます。このように、歯がない期間は人それぞれ異なるため、気になる方はまずは歯科医院で実施しているカウンセリングを受けてみるのがいいでしょう。
骨造成手術を行うと歯がない期間が長くなる
顎の骨量が少ない方はインプラントがしっかりと固定できないため、骨量を増やす「骨造成手術」が必要です。骨造成手術には種類があり、手術をしてから十分な骨量になるまでの期間も異なります。
そのため、インプラントが埋入できる状態になるまでに長い場合は6ヶ月以上の期間が必要なこともあるため、骨造成手術を含めると歯がない期間は1年になる方もいるでしょう。いずれにしても骨造成手術を伴う場合は、一般的に言われている歯がない期間よりも長くなることは間違いありません。
インプラント治療を受けるにあたり、骨造成手術が必要と歯科医師から言われた方は、歯のない期間が長期にわたることを想定して治療をスタートさせましょう。
インプラント治療で歯がない期間が必要な理由
インプラント体と顎の骨を丁寧に結合して、体にもなじませる期間が必要だからです。結合を待たずに人工歯を装着しても、インプラント体がしっかり定着していないため、脱落するなどのトラブルが生じます。
結合するまでの期間は待機期間とも呼ばれていますが、インプラント体が顎の骨と結合するまでは人工歯を装着できないため、どうしても歯がない期間が生じてしまうわけです。
インプラント治療で歯がない期間の対応方法
インプラント治療で歯がない期間の対応方法には、主に下記の3つがあります。
- 埋入したインプラント体を使用して仮歯を装着する
- 隣の歯を使用して仮歯を装着する
- インプラントの本数が多い場合は仮の入れ歯で対応する
仮歯や入れ歯を使用して対応するため、見た目的に歯がないといった期間は短くなります。また、インプラント治療を検討している方の中には、差し歯やブリッジなどの治療も比較しながらどの治療が自分に合っているのか、検討していることでしょう。
下記のページでは、インプラントと差し歯やブリッジなどの違いやインプラントのメリット・デメリットなどについて詳しく解説しているので、気になる方は合わせて読んでみてください。
インプラントとは?差し歯との違い、費用、メリット・デメリットを解説
埋入したインプラント体を使用して仮歯を装着する
インプラント治療で歯がない期間は、埋入したインプラント体を使用して仮歯を装着するのが一般的な対応方法です。仮歯を装着するタイミングは抜糸後になるため手術後1~2週間となり、抜糸と同日に仮歯までの調整を行ってくれます。
また、即日仮歯といってインプラント体を埋入する手術と同日に仮歯まで装着する方法を実施している歯科医院もあり、見た目的に歯がない期間を短くすることが可能です。ただし即日仮歯は、顎の骨量が十分にあり口腔内の状態も良いなど条件が揃わないと受けることができません。
即日仮歯を希望する方は、実施している歯科医院で先ずはカウンセリングを受けてみましょう。
隣の歯を使用して仮歯を装着する
次に多いのはインプラントを埋入する箇所の隣にある健康な天然歯を使用して、仮歯を装着する方法です。接着剤で天然歯に仮歯を装着するため、インプラント体を使用して仮歯を装着する方法と比較すると取れやすいのがデメリットです。
しかし、インプラント体にかかる負荷が少なく済む点はメリットであり、インプラント体と顎の骨の結合にも悪影響を与えにくいといった点も魅力でしょう。
インプラントの本数が多い場合は仮の入れ歯で対応する
上の歯全部などインプラントの本数が多い場合の歯がない期間の対応策には、仮の入れ歯を作成して装着する方法が用いられます。通常の入れ歯とは構造が異なるため、見た目が不自然になるなどデメリットもありますが、噛み合わせの維持に役立つほか天然歯のときのように咀嚼できるのがメリットです。
このように、歯科医院では3つの対応策をメインに自分に合った方法を提案してくれるので、ストレスを感じることなく歯がない期間を過ごせます。
インプラント治療で歯がない期間に仮歯を装着する理由
仮歯や入れ歯を装着する理由には、下記4つ挙げられます。
- 見た目への配慮
- 滑舌の悪さをカバーする
- 歯並びと噛み合わせを乱さないため
- 治療の痛みを緩和する
インプラント治療中に装着する仮歯には重要な役割も含まれるため、詳しく解説します。
見た目への配慮
インプラント治療で歯がない期間に仮歯を装着する理由は、見た目への配慮です。歯がないと人前で話したり笑ったりすることが苦手になる方は多いでしょう。失った歯の場所に仮歯が装着されるので、歯がないといった印象を与えることがなく、人前で話したり笑ったりすることにもストレスを感じません。
また、歯がないと食べるときにも気を使いますが、仮歯が装着されていることで天然歯があったときと同様に咀嚼できるので、友人などとの会食も楽しく過ごせます。
滑舌の悪さをカバーする
仮歯の装着は、滑舌の悪さをカバーするのにも役立ちます。歯がないとしゃべるときに空気が余分に抜けてしまうため、どうしても滑舌が悪くなり、会話をしている相手も聞きづらいです。特に仕事上で会話をする機会が多い営業職などの場合は滑舌の良さも求まられるため、歯がないことで滑舌が悪くなるのはデメリットでしかありません。
仮歯を装着することで滑舌の悪さをカバーできるので、聞きづらいといったことも解消できます。また歯がないことによる滑舌の悪さが理由で、人と会話するのが億劫に感じる方も多いです。これらの悩みは仮歯を装着することで、すべて解決できるでしょう。
歯並びと噛み合わせを乱さないため
歯がない期間が長期化すると、歯がない部分の両隣の歯が徐々に移動してしまい、歯並びや噛み合わせが悪くなる可能性があります。仮歯を装着することで歯がない部分が埋まるため、歯並びも噛み合わせも乱すことがありません。
インプラント治療で歯がない期間に歯並びと噛み合わせの健康な状態を維持するためにも、仮歯や入れ歯の装着は欠かせないと言えるでしょう。
治療の痛みを緩和する
仮歯や入れ歯の装着は、インプラント手術による傷口を保護するといった重要な役割もあります。例えば、歯ブラシで患部を擦ってしまっても、仮歯が装着されているので歯ブラシによる刺激を傷口に与えません。つまり、仮歯や入れ歯の装着はインプラント治療による痛みも緩和すると言えます。
また、傷口を保護することで外部からの刺激や悪影響を受けにくくなることから、傷口の早期回復にも期待できるでしょう。
インプラント治療で歯がない期間の注意点
仮歯や入れ歯使用して歯がない期間を補いますが、この期間中に注意点することは、主に下記の3つが挙げられます。
- 硬い食べ物は避ける
- 力強く噛まない
- 丁寧な歯磨きを心掛ける
仮歯や入れ歯は、あくまでも仮の歯なので天然歯と比較すると強度は強くありません。そのため、注意点を守らないと破損や病気などのトラブルが発生する可能性があるので、仮歯の間は注意点を守るようにしましょう。それでは、詳しく解説します。
硬い食べ物は避ける
インプラント治療で歯がない期間は、食べ物への注意が必要です。特に、仮歯を装着した後はせんべいやフランスパンなど、硬い食べ物を避けるようにしましょう。
仮歯は耐久性に優れていないため、硬い物を食べると欠けるなど破損する可能性が高いです。また、お餅やガムなど粘度性が高い食べ物も仮歯が取れてしまう可能性があるので厳禁。インプラント治療中はうどんなど、なるべく柔らかい食べ物を摂取するのが望ましいです。
力強く噛まない
硬い食べ物は避けることと似た理由になりますが、仮歯は破損しやすい素材でできているため力強く噛むといった行為が繰り返されると、欠けたり取れたりすることがあります。歯ぎしりや歯を食いしばるなど歯に強い力を与える行為が癖になっている方は、インプラント治療をスタートさせる前に癖を治す努力が必要です。
また、歯がない期間はインプラント体と顎の骨が結合する大事な期間であり、強い力を与えることによって結合が上手くいかないといったことにもなりかねません。インプラント治療中は患部を労るように常に意識しながら過ごすのがいいでしょう。
丁寧な歯磨きを心掛ける
インプラント治療中は感染や炎症を避けるためにも、丁寧な歯磨きを心がけることも大切です。日頃のケアを怠ると、歯の隙間に汚れが溜まってむし歯や歯周病の原因になります。
インプラント体を埋入して仮歯を装着した箇所は、傷口の悪化を防ぐためにも優しいブラッシングが必須。優しく丁寧に磨くことを意識しながらも、歯と歯の隙間の汚れはしっかりと掻き出すなど、汚れに対しては排除するように心がけてください。
まとめ
インプラント治療は、2~6ヶ月程度の歯がない期間があることをお伝えしてきました。歯がない期間があると言っても通常は抜糸後に仮歯や入れ歯の装着があるので、実際は歯がない期間が短いです。一方で、硬い食べ物や力強く噛むと仮歯が破損するといったことがあるため、注意しながら過ごさなければいけないこともあります。
インプラント治療の歯がない期間はこれらの注意点とも上手に付き合いながら、過ごしていきましょう。
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