インプラント治療の期間はどのくらい?段階別の所要日数を解説
インプラント治療の期間
インプラント治療は、失った歯の機能を回復するための優れた選択肢ですが、治療期間が気になる方も多いでしょう。ここでは、インプラント治療の平均的な期間と、個人差がある理由について解説します。
インプラント治療の平均的な期間
インプラント治療の平均的な期間は、全体で約6ヶ月から1年程度と言われています。この期間には、初診から治療計画の立案、埋入手術、オッセオインテグレーション(インプラントと顎の骨との結合)、そして最終的な上部構造の装着までが含まれます。
治療期間には個人差がある
ただし、この期間はあくまでも目安であり、実際の治療期間には個人差があります。患者さんの年齢や全身状態、顎の骨の状態、埋入するインプラントの本数などによって、治療期間は長くなったり短くなったりします。
①計画から手術までに要する期間
インプラント治療の第一段階は、初診から埋入手術までの期間です。この期間には、治療計画の立案や手術の準備が含まれます。
初診・検査に要する期間
まず、患者さんは歯科医院で初診を受け、口腔内の状態や全身状態の検査を受けます。この段階では、レントゲン撮影やCT撮影などの画像検査も行われ、顎の骨の状態や神経の位置などが確認されます。
通常、初診・検査には1~2週間程度が必要です。
治療計画立案までの期間
検査結果をもとに、歯科医師はインプラント治療の計画を立案します。
この段階では、埋入するインプラントの種類や本数、位置などが決定されます。治療計画の立案には、1~2週間程度が必要です。
埋入手術までの準備期間
治療計画が決定したら、埋入手術の準備を行います。この段階では、インプラントの種類や本数に合わせて、手術に必要な器具や材料が準備されます。
また、患者さんには手術前の注意事項が説明されます。埋入手術までの準備期間は、1~2週間程度です。
②埋入手術からオッセオインテグレーション(インプラントと顎の骨との結合)までの期間
インプラント治療の第二段階は、埋入手術からオッセオインテグレーション(インプラントと顎の骨との結合)までの期間です。この期間は、インプラントが顎の骨と結合するための重要な期間です。
下顎におけるオッセオインテグレーション(インプラントと顎の骨との結合)の期間
下顎は上顎に比べて骨が硬いため、オッセオインテグレーション(インプラントと顎の骨との結合)に要する期間は比較的短くなります。
一般的に、下顎では手術後2~3ヶ月程度でオッセオインテグレーション(インプラントと顎の骨との結合)が完了すると言われています。
上顎におけるオッセオインテグレーション(インプラントと顎の骨との結合)の期間
上顎は下顎に比べて骨が柔らかいため、オッセオインテグレーション(インプラントと顎の骨との結合)に要する期間は比較的長くなります。
一般的に、上顎では手術後4~6ヶ月程度でオッセオインテグレーション(インプラントと顎の骨との結合)が完了すると言われています。
骨の状態による治癒期間の違い
オッセオインテグレーション(インプラントと顎の骨との結合)に要する期間は、患者さんの骨の状態によっても異なります。
骨が十分な量と質を持っている場合は、治癒期間が短くなる傾向があります。一方、骨が不足している場合や骨の質が悪い場合は、治癒期間が長くなる傾向があります。
③部分インプラントの装着までの期間
インプラント治療の最終段階は、オッセオインテグレーション(インプラントと顎の骨との結合)が完了してから、部分インプラントを装着するまでの期間です。
この期間には、歯型取りから製作、試適、調整、最終的な装着までが含まれます。
印象採得(歯型取り)から製作までの期間
オッセオインテグレーション(インプラントと顎の骨との結合)が完了したら、部分インプラントを製作するための歯型取りを行います。
この段階では、精密な印象材を用いて口腔内の状態を型取りし、技工士が部分インプラントを製作します。印象採得から製作までには、通常2~3週間程度が必要です。
試適(仮合わせ)・調整に要する期間
製作された部分インプラントは、口腔内で試適され、噛み合わせや装着感などが確認されます。必要に応じて調整が行われ、最終的な装着に備えます。試適・調整には、通常1~2週間程度が必要です。
最終的な装着までの期間
試適・調整が完了したら、部分インプラントを最終的に装着します。この段階では、部分インプラントがインプラントにしっかりと固定され、機能的で審美的な歯の回復が実現します。
最終的な装着までには、通常1~2週間程度が必要です。
治療期間を短縮する方法
インプラント治療の期間を短縮するためには、いくつかの方法があります。ここでは、即時対応型インプラントや術前の口腔内環境改善、術後の適切なケアによる治癒促進について解説します。
即時対応型インプラントによる短縮
即時対応型インプラントは、抜歯と同時にインプラントを埋入する方法です。この方法では、抜歯後の治癒期間を待つ必要がないため、治療期間を大幅に短縮できます。
ただし、即時対応型インプラントは骨の状態が良好な場合にのみ適用可能です。
術前の口腔内環境改善による短縮
インプラント治療を受ける前に、口腔内の環境を改善しておくことも治療期間の短縮につながります。歯周病の治療や虫歯の治療を済ませ、口腔内を清潔に保つことで、インプラント治療の成功率が高まり、治癒期間も短くなります。
術後の適切なケアによる治癒促進
インプラント治療後は、適切なケアを行うことで治癒を促進し、治療期間を短縮できます。歯科医師の指示に従って、定期的な検診を受け、正しいブラッシング方法を実践することが大切です。また、禁煙や栄養バランスの取れた食事も、治癒の促進に役立ちます。
まとめ
インプラント治療は、失った歯の機能を回復するための優れた選択肢ですが、治療期間は平均で6ヶ月から1年程度かかります。
ただし、この期間には個人差があり、患者さんの状態によって長くなったり短くなったりします。治療期間を短縮するためには、即時対応型インプラントや術前の口腔内環境改善、術後の適切なケアが有効です。
インプラント治療を検討する際は、治療期間についても歯科医師とよく相談し、自分に合ったプランを立てることが大切です。
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