矯正後のリテーナーは一生必要?装着期間の目安と後戻りを防ぐ方法も解説

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Index目次

矯正後のリテーナーについて、「一生つけなければいけないの?」と不安に感じていませんか。結論から言うと、きれいな歯並びを維持するためには長期的な装着がよいと言われています。

では、どれくらいの期間装着すればいいのでしょうか?

装着期間の目安や後戻りを防ぐ方法を詳しく解説します。

【この記事でわかること】

  • なぜ矯正後にリテーナーが必要なのか
  • リテーナーの具体的な装着期間の目安
  • 自己判断でリテーナーをやめるリスク
  • リテーナーの種類、費用、お手入れ方法
  • リテーナー生活を快適に過ごすための工夫

なぜリテーナーは必要?歯の後戻りを防ぐ重要な役割

この章のまとめ!

矯正後の歯周りはまだ不安定で、歯は元の位置を記憶しています。リテーナーは、こうした後戻りを防ぎ、美しい歯並びを固定する重要な役割を担います。

なぜリテーナーはこれほど重要視されるのでしょうか。主な理由としては以下の3つになります。

  • 歯周組織が安定していないから
  • 歯が元の位置を記憶しているから
  • 加齢や生活習慣による歯の移動

それぞれ詳しく解説します。

理由①:歯周組織が安定していないから

矯正治療によって歯が動いた後、歯を支える周りの骨(歯槽骨)や歯と骨をつなぐクッション役の組織(歯根膜)は、まだ完全には固まっていません。例えるなら、引っ越したばかりの家具がまだ固定されていないような状態です。

この非常に不安定な時期にリテーナーによる保定をしないと、歯は日常のわずかな力で簡単に動いてしまい、後戻りの直接的な原因となってしまいます。

理由②:歯が元の位置を記憶しているから

歯を支えている歯根膜には、矯正治療前の歯並びの位置を記憶している性質があります。そのため、矯正装置が外れた解放感から、歯は一斉に元の場所へ帰ろうとします。特に治療が終了した直後から数ヶ月間は、この「形状記憶」ともいえる力が非常に強く働きます。

リテーナーは、この記憶に抵抗し、新しい歯並びの位置こそが正しい場所だと歯に再教育するための重要な装置なのです。

理由③:加齢や生活習慣による歯の移動

私たちの歯並びは、無意識の癖によっても影響を受けます。頬杖をつく、舌で歯を押す、唇を噛むといった日常の些細な習慣や、睡眠中の歯ぎしり・食いしばりも歯を動かす力となります。

また、矯正治療の経験がない人でも、加齢とともに歯並びは少しずつ変化していくものです。リテーナーは、こうした様々な力から歯並びを守り、長期的に安定させるための防波堤の役割も果たしています。

リテーナーの装着期間と外すタイミングの目安

この章のまとめ!

リテーナーの装着期間は、目安として終日装着する時期から夜間のみへ、そして徐々に頻度を減らす傾向にあります。自己判断で外さず、歯科医師の指示に従いましょう。

「一体いつまでつければいいのか」という疑問は、多くの方が抱くものです。リテーナーの装着期間は、歯の状態に応じて大きく以下の3つのステップに分けられることが多いです。

時期(目安) 装着時間(目安)
初期 矯正装置を外した直後~約1年 1日20時間以上(食事・歯磨き以外)
安定期 治療後 約1~2年以降 夜間のみ
維持期 治療後 3年目以降~ 週に数回など(頻度を減らして継続)

それぞれ詳しく解説します。

Step1:動的治療直後~約1年【20時間以上装着】

矯正装置を外した直後から約1年間は、歯が比較的動きやすく、後戻りのリスクが高まる傾向があります。

そのため、食事や歯磨きの時間を除き、1日20時間以上はリテーナーの装着を推奨されることが多いです。少し面倒に感じるかもしれませんが、この最初の期間を真面目に乗り越えることが、歯並びを安定させるための第一歩です。

Step2:安定期(約1~2年以降)【夜間のみ装着】

歯並びが安定してくると、歯科医師の判断のもとでリテーナーの装着時間を減らしていきます。次は、夜間のみの装着です。

日中はリテーナーを外して過ごせるため、精神的な負担も軽減されるでしょう。就寝中の無意識の歯ぎしりや食いしばりは、歯並びに影響を与える強い力となります。夜間装着は、こうした力から歯を守るナイトガードのような役割も果たしてくれるため、継続が大切です。

Step3:維持期(3年目以降~)【頻度を減らして継続】

歯並びがさらに安定してきたら、歯科医師との相談の上で、装着頻度を週に数回などに減らしていける可能性があります。

たとえ数日に一度の装着であっても、歯並びに変化がないかを確認する「リマインダー」として役立つこともあります。また定期検診を受け、専門家の目でチェックしてもらうとよいでしょう。

自己判断でやめるとどうなる?リテーナー装着を怠るリスク

この章のまとめ!

リテーナーの装着を自己判断でやめると、歯が元の位置に戻る「後戻り」が起こります。深刻なケースでは、再矯正に多くの時間と費用が必要になることもあります。

装着を怠ることで生じる可能性のある、以下の3つのリスクについて解説します。

  • 後戻りの発生
  • 再矯正の必要性
  • 噛み合わせの悪化

後戻りの発生

リテーナーの装着を数日間怠るだけでも、歯は目に見えないレベルで元の位置に向かって動き始めます。その結果、久しぶりにリテーナーをはめようとすると「きつい」「浮いた感じがする」といった違和感を覚えるでしょう。

この小さな後戻りを放置すると、やがてリテーナーが完全に入らなくなり、目に見える形で歯並びが乱れてしまいます。時間とお金をかけて手に入れた歯並びが、水の泡となってしまうのです。

再矯正の必要性

後戻りが進んでしまい、リテーナーが入らなくなったとき、歯並びを元に戻すには再矯正が必要になります。後戻りの程度が軽ければ、リテーナーの再製作や短期間の部分矯正で対応できるかもしれません。

しかし、全体的に歯が動いてしまったときは、再びブラケットやマウスピースを用いた本格的な矯正治療が必要となり、多額の追加費用と長い治療期間が発生してしまいます。

噛み合わせの悪化

後戻りの問題は、単に見た目が悪くなるだけではありません。歯が不適切な位置に動くことで、上下の歯の噛み合わせにズレが生じることがあります。噛み合わせの悪化は、食べ物がよく噛めないといった機能的な問題だけでなく、特定の歯に過度な負担をかける原因にもなります。

さらに、顎の関節への負担から顎関節症を引き起こしたり、頭痛や肩こりといった全身の不調につながったりすることもあります。

3種類のリテーナー|特徴・費用・お手入れ方法を比較

この章のまとめ!

リテーナーには、主にマウスピース型、プレート型、固定式の3種類があります。それぞれに特徴や費用が異なるため、自分のライフスタイルに合うものを選びましょう。

ここでは、代表的な3種類のリテーナーについて、それぞれの特徴、メリットやデメリットを表にまとめました。比較検討の参考にしてください。

種類 特徴 メリット デメリット お手入れ
マウスピースタイプ
  • 透明なプラスチック製
  • 取り外し可能
  • 目立たない
  • 衛生的
  • 発音しやすい
  • 破損しやすい
  • 自己管理が必要
洗浄剤を使い歯ブラシで洗浄
プレートタイプ
  • 歯の裏側がプラスチックで、表側をワイヤーで固
  • 取り外し可能。
丈夫で調整が可能
  • 見た目が気になる
  • 慣れるまで違和感が出る
洗浄剤を使い歯ブラシで洗浄(金属部分に注意)
フィックスタイプ(固定式)
  • 歯の裏側にワイヤーを直接接着
  • 取り外し不可
  • 装着忘れがない
  • 目立たない
  • 歯磨きがしにくい
  • フロスが使いにくい
  • 故障時に自分ではわからない
  • 専用ブラシやフロスで丁寧に清掃
  • 定期的なクリニックでの清掃

まとめ

この記事では、矯正後のリテーナーとの付き合い方について、その必要性から具体的な装着期間、種類などを詳しく解説しました。

【この記事の要点】

  • 矯正後の歯は後戻りしやすいため、リテーナーによる長期的な保定が大切
  • 装着期間は「終日装着」→「夜間のみ」→「頻度を減らして継続」と段階的に進む
  • 自己判断で装着をやめると、後戻りや再矯正のリスクがある
  • リテーナーには種類があり、ライフスタイルに合わせて選択できる

以下でご紹介するページでは、矯正歯科を探している方に向けた歯科医院の一覧を、参考情報として掲載しています。情報収集の一環としてご利用ください。

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ベストチョイス編集部
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