小児矯正は何歳から何歳まで?歯並びを整えるメリットや費用相場も紹介

お子さんの歯並びが気になるけれど、実際に何歳から何歳までに始めるべきかわからないという方もいるのではないでしょうか?小児矯正には適切な時期があり、時期を逃すと矯正期間が長引くこともあるため注意が必要です。
本記事では、小児矯正は何歳までに始めるべきか、また、矯正治療を始めるほうがよいとされる状況などを解説します。
小児矯正は何歳から何歳まで?治療を始める時期の目安
小児矯正には、永久歯への生え変わりが完了するまでに実施する「第1期矯正」と、生え変わりが完了してから実施する「第2期矯正」があります。それぞれ何歳から何歳までに矯正治療を行うかは、個人差もありますが、歯科クリニックの考え方によっても異なるため注意が必要です。
時期を逃すと矯正治療の選択肢が限られることもあるため、早めに相談するようにしましょう。各矯正期のおおよその目安について紹介します。
第1期
歯科クリニックにより異なりますが、第1期矯正は前歯や第1臼歯が永久歯に生え変わり始める6歳ごろまでに開始し、生え変わりが完了する12歳ごろまでに治療を終了することが一般的です。
ただし、受け口が見られるときは、3~4歳ごろまでに第1期矯正を始めるほうがよいとする歯科クリニックは少なくありません。幼いほうが顎の骨が柔らかく、成長を促しやすいため、将来の歯並びや口の機能を改善する効果も得やすいとされています。
第2期
第2期矯正は、生え変わりが完了した12歳以降に開始することが一般的です。永久歯がそろっていれば年齢制限は特になく、中学生ごろに始める方や成人してから始める方もいます。
なお、小児矯正は必ずしも第1期と第2期に分けて実施するわけではありません。第1期を実施したことで第2期の矯正治療が不要になるケースや、第1期が不要で第2期のみ実施するケースもあります。
そもそも小児矯正とは?
小児矯正とは、乳歯から永久歯に生え変わるまでの期間、あるいは永久歯が生え揃ってから実施する歯科矯正治療のことです。
顎の骨の成長をコントロールでき、骨格や歯並びを整えやすいとされています。また、歯並びを乱す可能性がある頬杖や指しゃぶり、口呼吸といった習慣を改善できる効果を期待できるのも小児矯正の特徴です。
小児矯正の流れ
小児矯正を2段階に分けて実施するときは、以下の流れで治療を進めていきます。
- カウンセリング
- 検査
- 治療方針の決定
- 第1期矯正治療
- 成長観察
- 第2期矯正治療
- 保定
各処置にかかる期間は、お子さんの歯や顎の状態、歯科医師の判断などによって異なります。
小児矯正の費用相場
小児矯正の治療段階別の費用相場は、以下をご覧ください。
| 小児矯正の段階 | 第1期 | 第2期 |
|---|---|---|
| 費用相場 | 10万~50万円 | 30万~100万円 |
お子さんの顎・歯並びの状況や治療方法、歯科クリニックなどによっても矯正費用は異なります。複数の歯科クリニックでカウンセリングを受け、治療方法や期間、費用などを比較すると、より慎重に矯正治療を進めていけるでしょう。
小児矯正の実施が検討される状況
お子さんに次のような状況が見られるときは、小児矯正を検討できるかもしれません。
- 受け口が見られる
- 上の前歯が下の前歯よりも出ている
- 指しゃぶりや舌出し、口をポカンと開けているなどの癖がある
- 乱杭歯・八重歯が見られる
- 乳歯に隙間がない
小児矯正には適した時期があるため、気になるときは早めに歯科医師に相談することが必要です。ただし、上記の状況が見られる場合でも、歯科医師によっては矯正治療の必要なしと判断することがあります。気掛かりなときは、複数の歯科クリニックに相談してみましょう。
受け口が見られる
受け口は見た目の問題だけでなく、噛み合わせが悪化したり、顎への負担が増大したりといった問題に発展することがあります。顎の骨が柔らかい3歳ごろまでに矯正治療に取り組むほうがよいケースもあるため、小児矯正を実施している歯科クリニックで相談してみましょう。
上の前歯が下の前歯よりも出ている
上の前歯が下の前歯よりも前に出ている、いわゆる「出っ歯」と呼ばれる状態も、小児矯正を検討できるでしょう。見た目の問題だけでなく、口呼吸をしている可能性があり、口内が乾いて将来的に虫歯や歯周病のリスクが高くなることがあります。
指しゃぶりや舌出し、口をポカンと開けているなどの癖がある
指しゃぶりや舌出しなどの習慣があると、前歯が噛み合わず、奥歯の上下に隙間が生じる「開咬(かいこう)」と呼ばれる状態になることがあります。
普段から口をポカンと開けているお子さんは、もしかしたら開咬なのかもしれません。気になるときは、早めに歯科医師に相談してみましょう。
乱杭歯・八重歯が見られる
歯列が乱れた乱杭歯や、一部の歯の生え方がねじれている八重歯などがあると、歯磨きがしにくく、虫歯になりやすい傾向があります。
また、口内を清潔に保ちにくく、将来的に歯周病に罹患するリスクも高くなるかもしれません。小児の時期に矯正治療を検討できるでしょう。
乳歯に隙間がない
乳歯に隙間がなく、きれいに生えそろっている状態は注意が必要です。永久歯は乳歯よりも大きいため、生え変わる際に歯並びが崩れるかもしれません。
第1期矯正で顎の骨の発育を促しておくと、永久歯が生えそろうスペースを確保しやすくなるため、歯並びも整いやすくなる場合があります。乳歯に隙間がないときも、早めに歯科クリニックに相談してみましょう。
小児矯正のメリット
子供のときに歯科矯正を始めることには、次のメリットがあります。
- 早期に整った歯並びを目指せる
- 抜歯を避けられることがある
- 歯並びに影響する癖の改善を期待できる
小児矯正には費用がかかるだけでなく、通院やケアの手間もかかります。あらかじめメリットを理解しておくことで、根気よく矯正治療を継続するためのモチベーションにしていきましょう。
早期に整った歯並びを目指せる
早期から矯正治療を始めることで、中学生・高校生の頃には歯並びが整うこともあります。見た目が気になる思春期を健やかに過ごしやすくなる可能性があることは、小児矯正のメリットといえるでしょう。
また、中学生・高校生で矯正治療を実施するときも、必ずしも矯正装置が目立ってしまうわけではありません。歯科クリニックによっては、透明のマウスピースを使った矯正治療や、白や透明などの歯の色になじみやすいワイヤー・ブラケットを使った治療方法、歯の裏側に矯正装置を装着する方法などを選択できることもあります。
抜歯を避けられることがある
成長期にある子供の時期に矯正治療を始めると、顎の骨が動きやすく、抜歯をせずとも永久歯が生えるスペースをつくりやすくなる場合があります。
一方、大人になってから矯正治療をすると、顎の骨が動きにくく、抜歯により永久歯が生えるスペースをつくる必要が生じることも少なくありません。大切な歯を抜かずに歯並びを整えるためにも、早めの矯正治療を検討できます。
歯並びに影響する癖の改善を期待できる
指しゃぶりや舌出しなどの癖は、歯並びを乱す可能性があるだけでなく、将来的に虫歯や歯周病になりやすくなるため、早期に改善することが必要です。
小児矯正を始めると、歯科クリニックで普段の習慣について指導を受けたり、矯正器具を装着したりするようになるため、口内環境に影響を及ぼす癖を改善する助けになります。
小児矯正のデメリット・注意点
メリットの多い小児矯正ですが、デメリットや注意点もあります。主なデメリット・注意点は以下をご覧ください。
- 装置が気になることがある
- 通常以上に口内ケアに時間がかかる
個人差はありますが、小児矯正には多額の費用や長い期間が必要になることもあります。後悔なく矯正治療を進めていくためにも、あらかじめデメリットや注意点を確認しておきましょう。
装置が気になることがある
矯正装置によっては目立ちやすいタイプもあります。目立ちにくい装置でも、口を大きく開けたときに目立ってしまうことがあるかもしれません。
また、装置が口の中で引っかかって痛みを感じたり、周囲から矯正治療をしていることを指摘されて不快感を覚えたりする可能性もあります。近年は小児矯正に取り組むお子さんも増えていることから気になりにくいと考えられますが、矯正治療をすることをコンプレックスに感じるお子さんもいるため、治療開始までにしっかりと話し合っておくことが必要です。
通常以上に口内ケアに時間がかかる
矯正装置をつけているときは、装置と歯・顎などの隙間に汚れが溜まりやすくなるため、通常以上にブラッシングや歯間ケアなどを丁寧にする必要が生じます。口内ケアに時間がかかり、つい面倒に感じてしまうかもしれません。
また、お子さんだけでは丁寧なケアを実施できない可能性もあるため、基本的には大人のサポートも必要です。毎食後ブラッシングや歯間ケアを手伝ったり、口内をこまめにチェックしたりするのは、矯正治療を受けるお子さんだけでなくサポートする大人も負担を感じる可能性があります。虫歯や歯周病のリスクを抑えるためにも、歯科クリニックでの定期的なクリーニングや指導を併せて受けることが大切です。
まとめ
小児矯正の第1期は、永久歯への生え変わりが始まる6歳ごろから生え変わりが完了する12歳くらいまで、第2期は生え変わりが完了した後で実施することが一般的です。受け口が見られる場合などは、3~4歳までに小児矯正を始めるほうがよいと判断されることもあります。
また、お子さんの口内状況や発育段階などによっても、小児矯正に適した時期が異なる点に注意が必要です。適切なタイミングを逃さないためにも、早めに歯科医師に相談しましょう。
以下のページでは、小児矯正に対応している歯科クリニックを紹介しています。気になる症状が見られるときや、歯並びや口周りが気になるときは、ぜひチェックしてみてください。
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