歯科矯正は保険適用?適用の条件、症例、手続き方法を解説

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Index目次

歯科矯正では、一定の症例であれば保険適用の対象となり、治療費を抑えることができます。本記事では、歯科矯正の保険適用について、基準・条件、適用される症状や治療法、保険診療の費用負担、申請手続きなどを詳しく解説します。

また、保険適用と自費診療の違いについてもお伝えします。歯科矯正の保険適用に関するさまざまな疑問にお答えしますので、ぜひ参考にしてください。

歯科矯正とは

歯科矯正は、歯並びや噛み合わせの問題を改善するための治療法です。この章では、歯科矯正の基本的な仕組みと、矯正治療が必要となるケースについて詳しく解説します。

歯科矯正の基本的な仕組み

歯科矯正は、ワイヤーやブラケットなどの装置を用いて、歯に継続的な力を加えることで歯の移動を促す治療法です。

装置によって歯に加えられた力は、歯根膜や歯槽骨に伝わり、時間をかけて少しずつ歯を動かしていきます。この過程で、歯並びや噛み合わせの問題が改善されていくのです。

矯正治療が必要となるケース

矯正治療が必要となるケースは、主に以下のようなものが挙げられます。

1. 叢生(歯並びの乱れ):歯が重なり合っていたり、ねじれていたりする状態

2. 上顎前突(出っ歯):上の前歯が前に出ている状態

3. 下顎前突(受け口):下の前歯が上の前歯より前に出ている状態

4. 開咬(かみ合わせが開いている):前歯で噛めない状態

5. 過蓋咬合(深い咬み合わせ):上の前歯が下の前歯を大きく覆っている状態

これらの問題を放置すると、虫歯や歯周病のリスクが高まるだけでなく、顎関節症などの症状も引き起こす可能性があるため、早期の矯正治療が推奨されています。

歯科矯正の全容についてもっと詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

関連記事:歯科矯正とは?種類や費用、期間を解説

歯科矯正の保険適用とは

歯科矯正治療は、一部の症状に限り保険適用の対象となります。ここでは、保険適用の基準と条件、具体的な症状と種類、そして保険適用外の症状や治療法について解説します。

保険適用の基準と条件

歯科矯正の保険適用には、以下のような基準と条件があります。

1. 厚生労働大臣が定める疾患に該当すること

2. 矯正専門医による診断と治療計画が必要であること

これらの基準と条件を満たした場合、保険適用の対象となる可能性があります。

保険適用される具体的な症例

保険適用の対象となる主な症状は、以下の通りです。日本矯正歯科学会のホームページから引用します。

①【別に厚生労働大臣が定める疾患】に起因した咬合異常に対する矯正歯科治療

②前歯及び小臼歯の永久歯(大人の歯)のうち3歯以上の萌出不全に起因した咬合異常(※埋伏歯開窓術を必要とするものに限る。)に対する矯正歯科治療

③顎変形症(顎離断等の手術を必要とするものに限る)の手術前・後の矯正歯科治療

なお、これら保険適用される矯正歯科治療を行える医療機関は、厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生(支)局長に届け出た保険医療機関のみになります。

引用:公益社団法人日本矯正歯科学会

これらの症状・種類に対して、矯正歯科治療が保険適用の対象となります。

保険適用外の症状や治療法

軽度の叢生や上顎前突、開咬などの症状、マウスピースを用いたインビザラインなどの目立たない矯正装置は、原則として保険適用の対象外です。これらの治療を受ける場合は、自費診療となることが一般的でしょう。

歯科矯正の保険診療の費用

保険適用の歯科矯正治療を受ける場合、患者の自己負担額はどのように計算されるのでしょうか。ここでは、自己負担額の計算方法、年齢による負担額の違い、そして治療期間と総費用の目安について解説します。

自己負担額の計算方法

保険適用の歯科矯正治療の自己負担額は、以下の計算式で求められます。

自己負担額 = 診療報酬点数 × 10円 × 自己負担割合

自己負担割合は、年齢によって異なります。

年齢による負担額の違い

歯科矯正の自己負担割合は、以下のように年齢によって異なります。

1. 3歳未満:0%または10%(自治体によって異なる)

2. 3歳以上6歳未満:20%

3. 6歳以上18歳未満:30%

したがって、年齢が高いほど自己負担額が増加することになります。

治療期間と総費用の目安

保険適用の歯科矯正治療の期間は、症状の程度によって異なるものの、一般的に2~3年程度とされています。

総費用は、治療期間と症状の程度によって大きく異なりますが、おおよそ30~50万円程度が目安となるでしょう。ただし、この金額はあくまでも目安であり、実際の費用は個々のケースによって変動します。

保険適用の申請手続き

歯科矯正の保険適用を受けるためには、所定の申請手続きが必要です。ここでは、必要な診断書と書類、申請から承認までの流れ、そして医療機関の選び方について解説します。

必要な書類・写真

保険適用の申請に必要な主な書類・写真は、以下の通りです。

1. 歯科矯正診断書

2. エックス線写真

3. 口腔内写真

4. 顔面写真

これらの書類・写真は、矯正専門医が作成し、保険者(健康保険組合や全国健康保険協会)に提出する必要があります。

また、診断書の内容が正確であり、医療的な治療が必要であることを示す内容が求められます。したがって、専門医との相談を通じて、必要な書類・写真を整えましょう。

申請から承認までの流れ

保険適用の申請から承認までの流れは、以下のようになります。

1. 矯正専門医による診断と治療計画の作成

2. 保険者への申請書類の提出

3. 保険者による審査

4. 承認または却下の通知

承認された場合、保険適用の矯正治療を開始することができます。

医療機関の選び方

保険適用の歯科矯正治療を受ける際は、以下の点に注意して医療機関を選びましょう。

1. 日本矯正歯科学会認定の専門医がいるか

2. 保険適用の治療実績が豊富か

3. 治療方針やアフターケアの体制が整っているか

これらの点を確認し、信頼できる医療機関を選ぶことが大切です。

保険適用と自費診療の違い

歯科矯正治療には、保険適用の治療と自費診療があります。ここでは、両者の治療内容の比較、メリット・デメリット、そして選択のポイントについて解説します。

治療内容の比較

保険適用の治療は、症状が重度で機能的な問題がある場合に限定されます。一方、自費診療では、軽度な叢生や審美的な問題にも対応可能です。また、自費診療では、インビザラインなどの目立たない矯正装置を選択することもできます。

メリット・デメリット

保険適用の治療のメリットは、費用が抑えられることです。デメリットは、治療の選択肢が限られること、審美的な要望に応えられないことでしょう。

対して、自費診療のメリットは、治療の選択肢が広いこと、審美的な要望に応えられることです。デメリットは、費用が高額になることでしょう。

選択のポイント

保険適用と自費診療のどちらを選択するかは、以下の点を考慮して決めましょう。

1. 症状の程度と種類

2. 治療への要望(機能面、審美面)

3. 費用の予算

これらを総合的に判断し、自分に合った治療法を選択することが重要です。

まとめ

歯科矯正の保険適用は、一定の条件の下で受けられる治療法です。保険適用の基準や費用、申請手続きについて理解し、自費診療とのメリット・デメリットを比較検討することが大切でしょう。

歯並びや噛み合わせに悩みを抱えている方は、まずは専門医に相談し、適切な治療法を選択することをおすすめします。