老後のために歯列矯正するべき?抜歯の影響や何歳まで可能かを解説

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老後のために歯列矯正をするかどうかを判断するには、年齢だけでなく口腔内の状態や今後の生活などを考慮する必要があります。歯ぐきや歯槽骨が健康であれば、中高年でも矯正治療を進められるケースがある一方、加齢に伴う歯周病や欠損歯などの影響を受けやすいため、治療計画は慎重な評価が欠かせません。

本記事では、老後を見据えて歯列矯正を検討する際に押さえておきたい影響や注意点について解説します。

歯列矯正が老後にもたらす影響とは

歯列矯正では噛みやすさや話しやすさといった機能面だけでなく、口元の印象にも変化が生じるため、老後の生活の質に関わる可能性があります。歯列矯正が老後にもたらす影響としては、以下のような点が挙げられるでしょう。

  • 健康寿命を延ばせる可能性がある
  • 口元の印象が改善しやすくなる
  • 口腔内の健康維持につながる
  • QOLの向上が期待できる

ここからは、それぞれの要素を順に見ていきます。

健康寿命を延ばせる可能性がある

加齢とともに歯を失うリスクは高まりますが、歯列不正を整えることで清掃しやすい環境になり、虫歯や歯周病の進行を抑えやすくなる可能性が期待できるでしょう。

多くの歯を保てるほど噛む力が維持され栄養を摂りやすくなる可能性があることから、その結果として歯の健康寿命を長く保つことにつながり得ます。「老後のために矯正するべきか」という判断においても、将来的な口腔機能を保ちやすくなる点はひとつの判断材料になるでしょう。

口元の印象が改善しやすくなる

歯並びが整うと口元の印象が変わり、人前で笑ったり会話したりする際の抵抗感が軽減されることがあります。

特に中高年では、見た目の変化が心の負担に直結しやすく、矯正によって心理的ハードルが下がる可能性も期待できるでしょう。近年はマウスピース型矯正装置など目立ちにくい治療法も広まり、年代を問わず取り組みやすい環境が整いつつあります。

口腔内の健康維持につながる

歯列が乱れているとブラッシングが難しい部位が生まれ、プラークや食片が残留しやすい状態になりがちです。矯正によって重なりや不正咬合を改善することで、歯ブラシが届きやすくなり、長期的な虫歯や歯周病のリスクを抑え、口腔内の健康維持につながることが期待できます。

虫歯や歯周病のリスクを抑えることは、将来の歯の喪失を防ぐうえでも重要といえるため、老後を見据えた矯正によるメリットのひとつといえるでしょう。

QOLの向上が期待できる

歯列が整うと、噛みやすさや発音のしやすさが改善し、食事や会話を楽しみやすくなることもあるでしょう。さらに、口元のコンプレックスが軽減されることで人前での自信につながり、心理的な安定につながる可能性もあります。

こうした変化は日常生活の満足度(QOL)に関わる要素であり、「老後を快適に過ごしたい」と考える方にとって矯正を検討する理由のひとつとなり得るでしょう。

抜歯を伴う歯列矯正は老後に悪影響がある?

抜歯を伴う歯列矯正が老後の健康に直接的な悪影響を及ぼすと示した明確な根拠は、現時点では確認されていません。的確な検査や診断、治療計画の下で適切な歯列矯正を行えば、機能回復につながる場合があるとされています。

歯列の幅や位置の関係から抜歯が検討される状態にもかかわらず、歯の本数が減ることを気にして放置するほうが、虫歯や歯周病が進行しやすくなり口腔内の健康維持が難しくなる可能性があるといえるでしょう。

ただし、老後は歯ぐきや歯槽骨の状態が変化しやすく、こうした変化が矯正治療全般に影響を及ぼすことがあります。しかしこの点は抜歯の有無にかかわらず生じ得るもので、抜歯矯正特有のリスクと位置付けられているわけではありません。

そのため、抜歯を伴う矯正治療が必ずしも老後に悪影響をもたらすと断定できる状況にはなく、治療の経過は口腔内の状態によって左右されるといえます。

歯列矯正をしないことによるデメリット

歯列矯正を行わず、歯列の乱れをそのままにすると、口腔内だけではなく心身に影響が及ぶこともあります。ここでは、矯正を行わない場合にどのようなデメリットが起こり得るのか、以下の4つの視点から見ていきましょう。

  • 噛み合わせのバランスが崩れやすい
  • 歯ぐきが下がる原因になる
  • 虫歯や歯周病のリスクが高まる
  • 心身の不調につながる可能性がある

噛み合わせのバランスが崩れやすい

歯列の乱れがあると上下の歯が均等に接触しにくくなり、噛むたびに力がかかる場所が偏ります。特定の場所に過度の負担が集中する状態が続くと、歯の摩耗や破折、顎関節症などにつながる可能性が否定できません。

また、噛み合わせの乱れと肩こりや頭痛などの不調との関連が指摘されることもあり、日常生活に影響が及ぶケースも見られます。

歯ぐきが下がる原因になる

歯に加わる力が一方向に偏ると、歯ぐきや歯槽骨に負担がかかります。歯周組織に過度な力がかかり続ける状態は、歯ぐきの後退につながる要因のひとつです。

また、歯並びの乱れによって清掃しにくい場所があると、プラークが溜まりやすくなります。そうした環境が続くと、歯肉炎や歯周病のリスクが高まり、それに伴って歯ぐきが下がるケースも少なくありません。

歯ぐきが下がると、冷たいものがしみやすくなる、見た目が気になるなど、日常生活で不快感を覚える場面が増えることがあります。歯列の乱れによる歯ぐきや周囲組織への負担は、気付きにくいまま少しずつ進行し、将来的な動揺や歯の喪失リスクを高めることがあるため注意しましょう。

虫歯や歯周病のリスクが高まる

歯列が乱れている状態では、歯ブラシが届きにくい場所ができ、歯と歯のすき間や段差にプラークや食べかすが残りやすくなります。汚れが溜まりやすい環境が続くと、虫歯や歯周病が進行しやすくなる可能性が否定できません。

炎症が慢性的に続くと歯ぐきの後退や歯槽骨の吸収が生じる場合があり、口腔内全体へ影響が及ぶこともあります。

加齢によって免疫力や唾液量の変化が加わると、プラークが付着しやすくなるという指摘もあり、もともと歯列の不調和がある場合には虫歯や歯周病のリスクが相対的に高まりやすいといえるでしょう。

心身の不調につながる可能性がある

噛み合わせが安定しない状態では、顎の動きに無理が生じやすく、周囲の筋肉に負荷がかかりやすいといわれています。顎まわりの筋緊張が持続すると、口の開閉に違和感が生じたり、顎関節に負担がかかったりすることがあるでしょう。その結果、顎関節症につながるリスクも否定できません。

また肩こりや首のこり、頭痛といった症状を引き起こす可能性もあります。さらに、口元の見た目のコンプレックスや発音の問題が心理的な面に影響を及ぼすケースもあるため、注意が必要です。

50代や60代などの老後でも歯列矯正は可能?

歯列矯正には明確な年齢制限がなく、50代や60代でも治療を受けている方は一定数います。歯の移動は成長期における矯正よりも遅くなる傾向があるものの、歯ぐきや歯槽骨に大きな問題がなければ、治療計画を立てられる場合もあるといえるでしょう。

ただし中高年以降は、歯周病の既往や歯の欠損など、若年層とは異なる条件を抱えているケースが少なくありません。こうした背景がある場合には、矯正前に歯周治療や補綴処置を優先する必要が生じることもあり、治療開始までのステップが増える可能性があります。口腔内の組織が加齢の影響を受けやすい点も踏まえると、事前の精密検査が欠かせないといえるでしょう。

また、全身状態にも配慮が必要になる場合があります。持病や服薬状況によっては治療計画に影響が生じることがあり、医科との連携が求められる場面も否定できません。こうした点から、老後の矯正治療には個々の状況に応じた慎重な判断が重要になるといえます。

50代や老後に歯列矯正をする際に気をつけたいポイント

中高年以降に歯列矯正を検討する場合、若い年代とは異なる条件を踏まえた判断が重要とされています。歯ぐきや歯槽骨の変化、過去の治療歴、残存歯の状態など、加齢とともに生じる要因が治療計画に影響を及ぼすことがあるためです。

老後に歯列矯正を検討する際に注意したい点として、以下が挙げられます。

  • 治療期間が長期にわたる可能性がある
  • 歯や口腔内の状態によっては不可のケースもある
  • 虫歯や歯周病の悪化につながることも
  • 治療法が限られることがある

治療期間が長期にわたる可能性がある

加齢に伴って歯槽骨の代謝が緩やかになると、歯の移動に時間がかかりやすいといわれています。そのため中高年の矯正治療では若い年代と比較して矯正装置の装着期間が長くなる傾向があり、治療期間が相対的に長期化するケースもあるでしょう。

また、歯周病の既往や補綴処置の有無など、口腔内の条件が複雑な場合には、矯正前の治療に時間を要することもあります。歯ぐきの炎症を改善してから矯正に進む必要があるケースや、欠損部を補うための処置が必要となるケースもあり、矯正治療そのものに着手するまでのステップが増える可能性も否定できません。

若い世代よりも治療に時間がかかる可能性がある、ということを認識し、通院やケアの負担を見越しておく必要があるといえるでしょう。

歯や口腔内の状態によっては不可のケースもある

重度の歯周病がある場合や、歯槽骨の吸収が大きく進んでいる場合には、歯を支える組織が十分に機能していないことがあり、矯正治療を適用しにくいとされています。治療されていない虫歯が多数残っているケースでも、歯の移動によって痛みや破折のリスクが高まるため、矯正よりも先に処置を行う必要が生じるでしょう。

中高年では歯周組織の変化が大きく、若年層よりも治療前の介入が重要になる傾向があります。歯ぐきの炎症や骨の状態を整えることなく矯正を開始すると、移動に伴う負担が大きくなり、歯の動きが不安定になる可能性が否定できません。こうした背景から、まず歯周治療や保存処置を優先し、矯正の可否を慎重に見極める姿勢が求められるといえるでしょう。

虫歯や歯周病の悪化につながることも

矯正治療中は装置によって清掃が難しくなる部分が生じやすく、磨き残しが増えると虫歯や歯周病が進行するおそれがあります。特に中高年では歯ぐきの変化が起こりやすく、炎症が慢性化すると歯周組織にさらなる負担がかかることがあるでしょう。

こうしたリスクを踏まえると、専門的なクリーニングと自宅でのセルフケア指導が重要になってきます。

治療法が限られることがある

50代や60代になると、過去の治療によって補綴物が多く入っていたり、歯の欠損が部分的に存在していたりすることがあり、矯正装置の種類に制約が生じる場合があります。特に固定式装置を取り付けにくい部位があると、希望する治療法を選択できないこともあるでしょう。

歯根の状態に問題がある、骨の量が限られているといったケースでは、強い力を加えにくく、より負担の少ない方法しか選択できない可能性もあります。

さらに、欠損部が多い場合には、歯を支点として動かす力の調整が難しくなることがあり、追加の補綴処置やアンカースクリューの併用が必要になるケースも少なくありません。こうした要因が組み合わさると、適用できる治療法の幅が狭まることもあり得るでしょう。

まとめ

老後の歯列矯正は、歯ぐきや歯槽骨の状態に問題がなければ治療の選択肢に含まれると考えられています。加齢に伴う口腔環境の変化に配慮する必要はあるものの、噛み合わせの安定や清掃性の向上につながる可能性があり、老後の生活の質に影響する場面もあるでしょう。

一方で、中高年の矯正治療では、歯周病の既往や欠損歯、補綴物の状態など、若年層よりも幅広い要素を確認することが欠かせません。治療が適しているかどうかは個々の口腔状態によって異なるため、精密検査を踏まえた慎重な判断が重要になります。

将来を見据えて歯列や噛み合わせについて考えたい方は、まず現在の状態を把握し、治療の適否や必要なステップを歯科医院と相談する姿勢が大切といえるでしょう。

歯列矯正を検討する際には、通いやすさや診療内容などを比べて選ぶことが大切です。複数の歯科医院を検索できるポータルサイト「ベストチョイス」では、エリアや診療科目などの条件から探しやすく、情報収集の一助として活用しやすいでしょう。

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ベストチョイス編集部
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