【Smarteeとは】今注目の矯正方法を解説!インビザラインとは何が違う?

Xアイコン
facebookアイコン
LINEアイコン
Index目次

近年話題を集めているのが、中国発の矯正ブランド「Smartee(スマーティー)」です。

マウスピース型矯正は、目立ちにくさと快適性から普及が進んでおり、今やインビザラインだけでなく複数の選択肢が存在しています。

本記事では、Smarteeの特徴や他ブランドとの違い、メリットや注意点までを総合的に解説します。

Smarteeとはどんな矯正?

Smarteeは、透明で取り外し可能な矯正装置を用いて歯列を整えていく治療法です。ただし、ほかのマウスピース型矯正と比較して設計思想や技術面において独自の進化を遂げており、より広い症例への対応力や快適性が強みとされています。

ここでは、Smarteeとはどのような矯正方法か、以下の2つの視点から見ていきましょう。

  • 中国発のマウスピース矯正
  • 50以上の国や地域で採用

中国発のマウスピース矯正

Smarteeは2004年に中国・上海で生まれた矯正ブランドで、開発・製造を担うのはShanghai Smartee Denti-Technology社です。同社はAI技術を活用した歯列シミュレーションや、3Dプリンターによる精密なアライナー製造に強みを持っています。

中国国内では大学病院や研究機関との共同開発や連携実績があり、高い信頼性と技術水準を備えたブランドといえるでしょう。

50以上の国や地域で採用

Smarteeはアジアを中心に、ヨーロッパ、中東、南米など50ヵ国以上で採用されており、累計症例数は100万件を超えています。

特に中国国内では、インビザラインに次ぐシェアを持つとされており、その技術力と対応力が国際的に評価されていることが分かるでしょう。日本では導入事例はまだ限られていますが、徐々に認知が高まりつつあります。

Smarteeの特徴

Smarteeの特徴としては、大きく5つあります。以下の表でポイントをまとめましたので、チェックしてみましょう。

特徴 詳細
幅広い世代に対応可能な矯正システム 小児期(乳歯・永久歯混在期)から中高年層まで、年齢・ライフステージに合わせて装置や治療計画を柔軟に設計。
AIや最新のデジタル技術を活用 スキャンデータをAIが解析し歯の動きを3Dシミュレーション。治療期間・アライナー数を算出し、クラウドで設計を共有・調整。
通院回数を抑える工夫を実施 アライナーを自宅で交換し、オンラインで経過共有。毎月の来院が不要になるケースも多く、忙しい患者の負担を軽減。
並行してホワイトニングも可能 アライナーが歯面に密着する構造を活かし、ホワイトニングジェル併用で矯正と歯の美白を同時に進行。
キャラクターとのコラボレーション ディズニーやマーベル公式ライセンスのアライナー本体・ケース・アクセサリーを展開し、治療のモチベーション向上に寄与。

Smarteeの主な矯正システム

Smarteeでは、患者の年齢や歯列の状態に応じて複数の矯正システムを用意しています。それぞれのシステムは、矯正の目的やライフスタイルに合わせて最適な治療を提案できるよう設計されており、小児から成人まで幅広く対応できるのが特徴です。

ここでは、以下の4つのSmartee矯正システムについて、紹介します。

  • Smartee Kinder
  • Smartee Teen
  • Smartee GE
  • Smartee GS

Smartee Kinder

Smartee Kinderは10歳までの混合歯列期に対応するモデルです。顎の成長を妨げないように配慮されており、軽い矯正力で歯列誘導を行います。乳歯と永久歯が混在している時期特有の注意点に配慮した設計になっており、早期介入が望まれるケースに適している矯正システムです。

Smartee Teen

10代の思春期に適応したシステムがSmartee Teenです。主に中高生、ティーン向けで骨格の発達や咬合変化を考慮した設計になっているのがSmartee Kinderと違いといえるでしょう。

アーチ形成や咬合誘導にも対応でき中等度の叢生や空隙歯列の矯正に適応、比較的軽い力でのコントロールにより、痛みも抑えられています。

Smartee GE

Smartee GEは、成人向けのスタンダードモデルで、軽度から複雑な歯列不正まで幅広く対応できる総合的なアライナーシステムです。

見た目と機能の両方をバランス良く整えたい方に適しており、複数の治療モジュール(S1〜S7など)を組み合わせられます。そのため汎用性が高く、柔軟な治療ができるのが特徴です。

Smartee GS

Smartee GSはSmartee GEより難症例に適応する上位システムで、下あご位置のコントロールや咬合高径の調整など、顎位誘導を含む高度な症例に適応可能とされているモデルです。

開咬や過蓋咬合、交叉咬合などに適応され、複雑な治療計画に対応するための機能が強化されています。

Smarteeと他のマウスピース矯正との違い

Smarteeのほかに、日本で普及している主な矯正方法として、インビザライン、アソアライナー、キレイライン、クリアコネクトが挙げられます。下記の比較表では、発祥国・対応症例・素材の特徴などの観点で整理しました。自分の症例や優先順位に合う選択肢を見つける際の参考にしてください。

Smartee インビザライン アソアライナー キレイライン クリアコネクト
発祥国 中国 アメリカ 日本 日本 アメリカ
対象症例 軽度~重度(下あごへのアプローチ可能) 軽度~重度 軽度~中等度(重度症例は非対応の場合あり) 軽度(前歯中心) 軽度~中等度
主な特徴
  • AI設計
  • クラウド処理
  • 下あご誘導も可能
  • 高度な3Dシミュレーション
  • 症例実績豊富
  • 国産
  • 段階ごとの製作で柔軟対応
  • 納期短め
  • 低価格
  • 審美特化・前歯部中心
  • 独自素材(ClearQuartz)
  • 透明性と弾力性を両立
費用 インビザラインより抑えられている傾向 比較的高額 記載なし 比較的安価 Smarteeより高めの傾向あり

Smarteeを選ぶ3つのメリット

Smarteeにはさまざまなメリットがありますが、特に以下の3点は特筆ポイントといえます。

  • インビザラインよりもローコスト
  • 高精度な矯正が期待できる
  • 下あごの位置にもアプローチできる

詳しく解説します。

インビザラインよりもローコスト

Smarteeは中国に本拠地を持つ企業が提供しており、独自の製造拠点とアルゴリズムによるCAD設計を活用することで、生産効率を高めつつコスト削減を実現しているのが特徴のひとつです。そのため、一般的に米国発のインビザラインよりもコストを抑えられる可能性があります

ただし、最終的な費用は症例の難易度や地域差、医院ごとの導入プランによって変動するため、事前の十分な説明と費用内訳の確認が重要です。

高精度な矯正が期待できる

Smarteeでは、AIによる三次元的な咬合予測技術とクラウド設計の融合により、従来のマウスピース矯正に比べて精度の高い歯列移動が可能とされています。歯の移動距離や歯根の角度まで、細かく設計できるのが特徴です。

特に咬合平面の傾きや下あご位の調整が必要な症例では、微細な補正が可能な設計環境が整っており、上下の咬合バランスや機能的な咀嚼の再構築を重視する患者にとって有効な選択肢とななることが期待できるでしょう。

下あごの位置にもアプローチできる

GSモデルでは、下あごの前後的位置関係や咬合平面の傾斜までをも考慮した三次元的な設計が可能で、歯列の整列にとどまらず、顔貌バランスや発音、咀嚼機能に至るまで包括的な治療が期待できます。

特に、比較的重度の下あごのずれにアプローチできる点は、他ブランドにはあまり見られない独自性といえるでしょう。

Smarteeを選ぶ前に知っておきたい3つの注意点

Smarteeは革新的な矯正システムである一方、導入にあたってはいくつか確認しておきたい点があります。安心して治療を受けるためにも、以下の3つのポイントを事前に把握しておくことが重要です。

  • 取扱いをしている医院は限られる
  • 比較的新しい矯正のためインビザラインほどの症例がない
  • 適応できないケースもある

それぞれ、詳しく見ていきましょう。

取扱いをしている医院は限られる

Smarteeは日本国内での導入数がまだ限られており、主要都市部を中心に一部の歯科医院でのみ提供されているのが現状です。そのため、地方や郊外では取扱医院を見つけにくいケースが少なくありません。

また、取り扱う症例や治療の対応範囲に差があるため、単に導入医院を見つけるだけでなく、治療実績や専門性、使用しているSmarteeシステムの種類(Kinder、Teen、GSなど)についても事前に確認することが重要です。

比較的新しい矯正のためインビザラインほどの症例がない

Smarteeは2004年に設立されており、1997年登場のインビザラインと比較すると新しい矯正方法であるため、インビザラインほどの症例はありません。特に長期的な治療経過や多様な臨床症例への対応実績では、インビザラインに軍配が上がるといえます。

そのため、導入を検討する際は、経験豊富な歯科医師による説明とカウンセリングを受け、自身の症例に本当に適しているかの見極めが重要です。

適応できないケースもある

重度の骨格性不正咬合や上下あごの大幅なズレを伴うような症例では、マウスピース型矯正装置による治療は適応外とされることが一般的です。

たとえば外科的矯正治療(外科手術を併用した矯正)が必要とされるようなケースでは、骨格の移動を伴うため、マウスピース矯正だけでは対応できません。また、開咬や反対咬合など複雑な咬合異常も同様です。こうした症例に対して無理にマウスピース矯正を適用すると、治療の長期化や期待した結果が得られないリスクがあるため、医師とよく相談しましょう。

まとめ

Smarteeは、インビザラインに代わるマウスピース矯正の選択肢として注目されています。AIとクラウド設計による高い精度、通院頻度の低減、ホワイトニングとの併用など、現代のニーズに合致した特長を多く備えています。

まだ導入医院は限定的ではあるものの、今後の普及と症例蓄積が進めば、矯正の新たなスタンダードになり得る可能性もあるでしょう。ただしSmarteeに限ったことではありませんが、矯正方法を選ぶ際は、歯科医師と十分に相談し、自身の症状やライフスタイルに適した選択を行うことが大切です。

以下で紹介するページでは、矯正治療の相談を検討している方に向け、全国の歯科医院情報を一覧形式で掲載しています。選択肢を比較・検討する際の参考資料としてご活用ください。

関連記事:宇都宮のマウスピース矯正治療でかかりたいおすすめの歯科クリニック