インビザラインの効果とは|効果を実感できるのはいつから?

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インビザラインは、マウスピース矯正の一種です。ワイヤー矯正とは異なり、透明なマウスピース(アライナー)を用いることで、目立たず快適に歯並びを整えられることができます。世界各国で1,500万人以上の方がインビザラインを選んでいます(2023年3月時点)。

この記事では、インビザラインの治療効果にフォーカスし、治療期間、効果は早く実感する方法、治療上の注意などを解説します。インビザラインやマウスピース矯正治療に興味のある方は、ぜひ参考にしてください。

インビザライン治療による効果とは

インビザラインは、透明なマウスピース型の装置を用いる矯正治療法です。ワイヤーやブラケットを使わないため、装着が目立ちにくく、快適に治療を進められる点が大きな特徴となります。

インビザラインの実施によって、以下のような効果が期待できます。

  • 歯並びの改善
  • 顔のバランスやEラインの印象変
  • 噛み合わせの改善

それぞれについて解説していきます。

歯並びの改善

インビザラインは、個々の歯の状態に合わせてカスタマイズされたマウスピースを使用することで、精密な歯の移動を再現し、美しい歯並びへと導きます。

具体的には、歯の隙間や傾き、叢生(乱杭歯)、反対咬合、上顎前突(出っ歯)、下顎前突(受け口)、開咬、交叉咬合など、様々な歯並びの不正に対応できます。また、抜歯が必要なケースにも対応可能です。

先進的な技術を用いて歯の移動をシミュレーションすることで、しっかりとした計画に基づいて、治療を進めることができます。

重度の不正咬合の場合、ワイヤー矯正との併用や、外科手術を併用した矯正治療が必要になるケースもありますが、軽度〜中程度の不正咬合なら歯並びの改善が目指せます。

顔のバランスやEラインの印象変化

歯並びと噛み合わせは、顔全体のバランスや印象に大きく影響します。インビザライン治療によって歯並びと噛み合わせが改善されると、顎や口元の形状が変化し、顔全体の印象がスッキリと洗練されることがあるのです。

例えば、横顔の美しさの指標とされるEライン(鼻先と顎先を結んだ線)が整い、より調和のとれた美しい横顔へと変化する可能性があります。とくに口元が出ている(前歯が突出している)、顎が後退して見えるような方の場合は、それらのコンプレックス解消につながることも期待できます。 また、歯列にスペースがなく抜歯が必要なケースでは、治療後に横顔の印象が大きく変わる可能性もあるでしょう。

ただし歯列だけでなく骨格に問題がある場合、インビザラインだけで大幅に顔のバランスやEラインの印象を変化させることは困難です。大幅な変化を求めるケースでは、別の治療が必要となります。

噛み合わせの改善

インビザラインは、多様な不正咬合にアプローチすることで、噛み合わせが改善するケースがあります。そして噛み合わせが改善すると、その他の様々な症状の改善につながる可能性が考えられるのです。

例えば正しい噛み合わせは、咀嚼機能を高め、良好な消化にもつながります。このほか、正しい噛み合わせで筋肉の余分な緊張が緩和すると、緊張性の頭痛や肩こりが改善する可能性も考えられるでしょう。 さらに顎関節症や、歯ぎしりの予防・改善につながるケースもあります。

インビザライン治療の期間と経過

インビザライン治療を受ける前に、以下2点についても知っておきましょう。

  • インビザラインの治療期間
  • インビザライン治療の通院頻度

インビザラインの通院頻度は、他のマウスピース矯正よりも少なめです。 一方、治療期間は一般的なマウスピース矯正よりも長めの傾向ですので、留意しておきましょう。

インビザラインの治療期間

インビザラインの治療期間は、一般的には半年から2年程度です。

軽度の症例であれば比較的短期間で治療を終えることができますが、複雑な症例ではより長い期間が必要となる場合もあります。いずれにせよ、歯並びの不正の程度や治療計画によって、治療期間は大きく変化します。

特に、半年から2年以内に通院が困難となる可能性がある方(就職や進学で遠方に引っ越す可能性がある方など)は、治療開始前に歯科医師に相談し、具体的な治療期間の見通しを立てることが重要です。

インビザライン治療の通院頻度

インビザライン治療では、2~3ヶ月に1回の頻度(初期は1ヶ月に1回ほど)で通院が必要になります。

他のマウスピース矯正の通院頻度は、2週間~1ヶ月に1回程度なので「通院回数をできるだけ少なくしたい」という方には大きなメリットでしょう。

なお通院時には、歯の動きの確認やマウスピースの交換、クリーニングなどの処置が行われます。また、治療経過に問題がないか、歯科医師によるチェックも受けることができます。治療の進捗状況によっては若干、通院頻度が変わることもあります。

インビザライン治療による効果を早く実感するには

インビザラインは、順調に治療が進めば、 数ヶ月から半年程度で効果が出てきます。治療効果を最大限に引き出し、早期に実感するためには、以下のポイントに注意することが重要です。

  • 1日の装着時間を厳守する
  • マウスピースの交換期間を守る
  • 定期的に歯科医のチェックを受ける
  • アタッチメントやチューイーを使用する
  • ワイヤー治療と組み合わせる

これらのポイントについて下で解説します。

1日の装着時間を厳守する

インビザラインは、1日20~22時間以上の装着が必要です。

装着時間が短いと、歯の動きが計画通りに進まず、治療期間が延びてしまう可能性があります。食事や歯磨きの時以外は、できるだけマウスピースを装着するように心がけましょう。例えば装着時間を記録できるアプリなどを活用すると、装着時間の管理がしやすくなります。

マウスピースの交換期間を守る

インビザラインは、1~2週間ごとに新たなマウスピースに交換します。交換は、歯科医師の指示に従って、適切なタイミングでマウスピースを交換しましょう。

交換時期を自己判断で早めてしまうと、治療計画に狂いが生じたり、歯並びの乱れにつながったりする可能性があります。

定期的に歯科医のチェックを受ける

定期的な通院による歯科医のチェックは、虫歯や歯周病の早期発見はもちろん、インビザライン治療の進捗状況を確認する上でも重要です。通院時には口腔内スキャンを行い、歯の動きを患者自身も確認することができます。治療計画通りに歯が動いているかを歯科医師が確認することで、納得しながら治療を進めることができます。

アタッチメントやチューイーを使用する

アタッチメントは、マウスピースと歯をしっかりと固定するための小さな突起物です。特定の歯の表面に取り付けることで、より効果的に歯を動かすことができます。アタッチメントは歯の色に近い色のものが使用されるため、目立ちにくくなっています。

一方チューイーは、シリコン製の補助器具(ロール状のチューブ)です。マウスピース装着後にチューイーを噛むことで、歯とマウスピースの密着度を高めます。

マウスピースと歯がしっかり固定されていない(密着していない)と、計画通りに歯が動かず、効果が出にくくなる恐れがあります。これらの器具をしっかり併用することで、インビザラインの効果を高めることが期待できるでしょう。

ワイヤー治療と組み合わせる

症例によっては、インビザラインとワイヤー矯正を組み合わせることで、より効果的な治療が実施できるケースがあります。ワイヤー矯正を併用することで、歯の移動速度を速めたり、複雑な歯の動きを実行したりすることが可能となるためです。

費用はインビザラインのみよりも高額になりますが、治療効率を高めたい方や、治療期間を短縮したい方にとってはメリットがあります。

インビザライン治療で注意が必要なケース

インビザライン治療に際しては、以下の2点にご注意ください。

  • 虫歯治療などで矯正治療が中断される
  • マウスピースの装着期間や時間を守らない

いずれも、患者さん自身の心がけで注意できますので、しっかり内容を確認しておきましょう。

虫歯治療などで矯正治療が中断される

インビザライン治療中に虫歯や歯周病が見つかった場合、症状の程度によっては、先に虫歯、歯周病治療を済ませる必要があります。つまり、その分だけインビザラインの治療期間が伸びると考えられます。

矯正中に虫歯、歯周病治療でインビザラインが中断されるほか、マウスピースが合わなくなって作り直しが必要となる可能性があるためです。

インビザライン治療中に虫歯・歯周病を防ぐためには、甘い飲み物(糖分入りの飲み物)を控えることが望ましいです。また、マウスピースを装着する際は、歯磨きを欠かさないようにしてください。

なお、はじめの検査段階で虫歯、歯周病が発見された場合は、矯正治療前にこれらの治療を行うことが推奨されます。

マウスピースの装着期間や時間を守らない

すでにご紹介したようにインビザラインでは、 マウスピースを1日20~22時間、毎日装着します。また、1~2週間ごとに、新たなマウスピースに交換しなければなりません。

インビザラインの効果を最大限に発揮するためには、このような装着期間と時間を守ることが不可欠です。装着時間が不足すると、歯が計画通りに動かなくなります。噛み合わせのずれ、歯の後戻りなどが生じる可能性があるため注意が必要です。また、マウスピースの交換時期を守らないと、衛生面の問題につながるほか、治療計画に狂いが生じ、治療期間が延びる可能性があります。

治療期間中、マウスピースの装着時間をきちんと守ることが、治療期間の短縮につながります。

まとめ

インビザラインは、透明で目立たないマウスピースを用いた革新的な矯正治療法です。従来のワイヤー矯正に比べて審美性と快適性があり、多くの人々に選ばれています。食事や歯磨きの際も取り外せるため、口腔内衛生の維持も容易です。

費用は自費診療となるため、保険診療と比較して高額ですが、美しい歯並びと健康的な噛み合わせを手に入れるための有効な選択肢と言えるでしょう。インビザライン治療を検討する際は、治療した症例数を一定以上持つ歯科医師とよく相談してください。