マウスピース矯正とは?費用、治療の流れ、メリット・デメリット、ワイヤー矯正との違いを解説
目立たず取り外し可能な矯正治療で、自然な笑顔を手に入れませんか?
本記事では、マウスピース矯正とは何か、その種類、メリット・デメリット、ワイヤー矯正との違い、治療の流れ、費用などをわかりやすく解説します。
マウスピース矯正とは何か
マウスピース矯正は、透明なプラスチック製のマウスピースを使用して歯を少しずつ動かしていく矯正治療法です。目立ちにくく、取り外しできるという特徴があります。以下で、さらに詳しく見ていきましょう。
患者に合わせたマウスピース
マウスピース矯正で使用されるマウスピースは、コンピューター技術を駆使して作成され、患者さん一人ひとりの歯の状態に合わせてカスタマイズされます。
マウスピースを装着することで、歯に適切な矯正力がかかり、理想的な歯並びへと導いてくれるのです。
透明なマウスピースで歯を動かす
マウスピース矯正に使用されるマウスピースは、透明度の高いプラスチック素材で作られています。そのため、装着していてもほとんど目立たず、自然な笑顔を保つことができます。
このマウスピースを一定期間装着し続けることで、歯が少しずつ動いていき、美しい歯並びを実現できます。
目立ちにくく、取り外しできる
マウスピース矯正の大きな特徴は、目立ちにくいことと、取り外しができることです。透明なマウスピースを使用するため、他人から見てもわかりにくく、自然な印象を与えられます。
また、食事や歯磨きの際には取り外しできるので、口腔衛生を保ちやすい点も魅力の一つと言えるでしょう。
マウスピースの種類
現在、マウスピース矯正には様々な種類があります。その中でも特に有名なのが、インビザライン、クリアコレクト、アソアライナーの3種類です。それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。
インビザライン
インビザラインは、アメリカで開発されたマウスピース矯正システムです。高度なコンピューター技術を用いて、患者さん一人ひとりに合わせたオーダーメイドのマウスピースを作製します。
透明度が高く、装着感も良好であることから、世界中で多くの方に選ばれています。
クリアコレクト
クリアコレクトは、インビザラインと同様の技術を用いたマウスピース矯正システムです。高品質な素材を使用し、より快適な装着感を実現しています。
また、治療期間が比較的短いのも特徴の一つです。
アソアライナー
アソアライナーは、日本で開発されたマウスピース矯正システムです。日本人の歯の特徴を考慮して設計されており、より効果的な矯正治療が期待できます。
また、独自の技術によってマウスピースの厚みを抑えることで、違和感の少ない装着感を実現しています。
マウスピース矯正のメリット
マウスピース矯正には、従来のワイヤー矯正にはない様々なメリットがあります。審美性の高さ、取り外しができる利便性、通院の負担が少ないことなど、患者さんにとって魅力的な特徴が多くあります。
目立ちにくく、審美性が高い
マウスピース矯正の最大のメリットは、何と言っても目立ちにくく、審美性が高いことです。透明なマウスピースを使用するため、装着していてもほとんど目立たず、自然な笑顔を保つことができます。
特に大人の方がマウスピース矯正を行う上で、大きなメリットと言えます。
取り外しができ、口腔衛生を保ちやすい
マウスピース矯正は、食事や歯磨きの際にマウスピースを取り外せる点もメリットでしょう。歯や歯茎を清潔に保ちやすく、虫歯や歯周病のリスクを減らすことができるからです。
また、取り外しができることで、例えば特別な日に装着しないという選択肢もあるなど、柔軟に対応できるのです。
受診回数が少なく、通院の負担が少ない
マウスピース矯正は、従来のワイヤー矯正と比べて受診回数が少ない点が特徴です。一般的に、2〜3ヶ月に1度程度の通院で済むため、仕事や学校に通いながらでも無理なく治療を進められます。
受診時間を確保しづらい多忙な方にとって、大きなメリットと言えるでしょう。
マウスピース矯正のデメリット
マウスピース矯正には多くのメリットがある一方で、いくつかのデメリットもあります。ここでは、治療の限界性や自己管理の必要性、治療期間の長さの3点について紹介します。
重度の歯列不正には適さない
マウスピース矯正は、比較的軽度から中程度の歯列不正に対して効果的です。しかし、重度の不正咬合や複雑な症例に対しては、十分な効果が得られない可能性があります。
そのような場合は、従来のワイヤー矯正や外科的矯正を検討する必要があるでしょう。
装着時間を守る必要がある
マウスピース矯正では、1日20時間以上の装着が求められるため、患者さん自身によるマウスピースの管理が重要となります。
装着時間が不足すると、矯正の進行が停滞し、治療期間が長引いたりする可能性があるので注意しましょう。
総治療期間が長くなる可能性がある
マウスピース矯正は、治療内容によってワイヤー矯正よりも総治療期間が長くなる可能性があります。マウスピースによる矯正力がワイヤーほど強くないためです。
平均的な治療期間は1年から2年程度ですが、症例によってはさらに長期化する可能性もあるでしょう。
ワイヤー矯正との違い
マウスピース矯正とワイヤー矯正は、どちらも歯列矯正を目的とした治療法ですが、いくつかの違いがあります。取り外しの可否、審美性、矯正力の強さなどが主な違いです。それぞれ解説します。
取り外しが可能
マウスピース矯正の大きな特徴は、装置を取り外せることです。食事や歯磨きの際に装置を外すことができ、口腔衛生を保ちやすくなります。一方、ワイヤー矯正は装置を固定するため、取り外しができません。
目立ちにくい
マウスピース矯正に使用される装置は透明で目立ちにくいのに対し、ワイヤー矯正では金属製のブラケットとワイヤーを使用するため、装置が目立ちやすいという違いがあります。審美性を重視する方には、マウスピース矯正が向いていると言えます。
矯正力が弱い
マウスピースによる矯正力は、ワイヤー矯正と比べてやや弱いため、重度の不正咬合に適さない場合があります。また、治療期間がワイヤー矯正よりも長くなる傾向にある点も、両者の矯正力の違いと関係しています。
マウスピース矯正の治療の流れ
マウスピース矯正の治療の流れは、大きく分けて3つのステップがあります。まず、治療計画の立案、次にマウスピースの作製、そして定期的なマウスピースの交換と経過観察です。それぞれの詳細を見ていきましょう。
1.診察・検査で治療計画を立案
マウスピース矯正の治療を始める前に、まず歯科医による詳細な診察と検査が行われます。口腔内の写真撮影や歯型の採取、エックス線撮影などを通して、歯の状態を正確に把握します。
これらのデータをもとに、コンピューター上で理想的な歯の移動をシミュレーションし、治療計画を立案するのです。
2.マウスピースの作製
治療計画が決まったら、それに基づいてマウスピースの作製が行われます。透明なプラスチック素材を使用し、歯の動きに合わせて少しずつ形状の異なるマウスピースを一連のセットとして作製します。
この工程があることで、段階的に歯を動かしていくことが可能となるのです。
3.定期的なマウスピースの交換と経過観察
マウスピース矯正では、一定期間ごとにマウスピースを交換しながら治療を進めていきます。歯の移動に合わせて、マウスピースを順次変更していく必要があるためです。また、定期的な通院の際には、歯科医が治療の進捗状況を確認し、必要に応じて治療計画の微調整を行います。
このように、マウスピースの交換と経過観察を繰り返すことで、理想的な歯並びへと導いていくのです。
マウスピース矯正の治療期間
マウスピース矯正の治療期間は、一般的に平均6ヶ月から2年程度と言えます。ただし、患者さんの歯の状態や矯正の目標によって異なります。
歯の状態によって変わる
歯並びの乱れが軽度な場合は、比較的短期間で治療が完了する可能性があります。一方、複雑な症例や重度の不正咬合の場合は、治療期間が長引く傾向にあります。
したがって、歯の状態によって、マウスピース矯正の治療期間は大きく変化します。
治療目標によっても変わる
マウスピース矯正の治療目標によっても、治療期間が変わります。例えば、前歯の部分的な歯並びを改善する場合は、比較的短期間で完了することが多いです。
しかし、奥歯の噛み合わせまで改善するような包括的な矯正治療の場合は、治療期間が長くなる傾向にあります。
定期的な通院と装着時間の遵守が重要
マウスピース矯正の治療期間を短縮するためには、定期的な通院と装着時間の遵守が重要です。歯科医が指示する通院スケジュールを守り、毎日の装着時間を確保することで、治療効果を最大限に発揮することができます。
逆に、これらを怠ると、治療期間が延びてしまう可能性があるのです。
マウスピース矯正の費用
マウスピース矯正を検討する上で、最も気になるのは費用でしょう。一般的にマウスピース矯正は自由診療扱いとなり、保険適用外です。そのため、治療費用は全額自己負担となります。
一般的に総額50万円〜100万円程度
マウスピース矯正の治療費用は、症例の難易度や治療期間によって異なりますが、一般的には総額50万円から100万円程度が目安となります。この費用には、診察料、検査料、マウスピースの作製費、定期検診料などが含まれています。
ただし、軽度な治療であれば30万円台で済む場合もあり、逆に複雑な症例では100万円を超える場合もあります。
保険適用外の自由診療
マウスピース矯正は、現在のところ原則的に保険適用外の自由診療扱いです。治療費用は全額自己負担となり、公的医療保険を使うことができません。ただし、以下のように、保険適用になるケースもあります。
①「別に厚生労働大臣が定める疾患」に起因した咬合異常に対する矯正歯科治療
②前歯及び小臼歯の永久歯のうち3歯以上の萌出不全に起因した咬合異常(埋伏歯開窓術を必要とするものに限る。)に対する矯正歯科治療
③顎変形症(顎離断等の手術を必要とするものに限る)の手術前・後の矯正歯科治療
引用:日本矯正歯科学会:矯正歯科治療が保険診療の適用になる場合とは
なお、一部のクリニックでは、分割払いやローン制度などを導入しており、費用面の負担を軽減する工夫をしているところもあります。
クリニックによって費用が異なる
マウスピース矯正の費用は、クリニックによって異なることがあります。使用する材料やシステム、診療設備、医師の経験などが関係しているためです。そのため、治療を検討する際は複数のクリニックに相談し、費用の比較検討を行うことが大切でしょう。
また、料金体系についても事前に確認しておくことが重要です。
まとめ
マウスピース矯正は、透明で取り外し可能なマウスピースを用いた矯正治療法です。目立ちにくく、自然な笑顔を保ちながら歯並びを整えることができるため、特に大人の方に人気があります。
また、食事や歯磨きの際など、装置を取り外すことができるので、口腔衛生を保ちやすいのも大きなメリットと言えます。ただし、自己管理が必要であり、1日20時間以上の装着が求められます。
治療費用は総額50万円から100万円程度と高めですが、審美性と利便性に優れた矯正治療として、歯並びに悩む多くの方にとって魅力的な選択肢となっています。